耕起とは
田んぼに水を引く前にトラクターで土を掘り返したり反転させたりして耕すことです。この耕起の目的は、播種や移植に適した土塊の大きさに土を砕く、収穫時の稲わらを土壌にすきこみ土の中で腐らせる、雑草の種を深く埋め込み土中にある雑草の種子を死滅させ発生を抑える、土を起こして乾かす事で乾土効果が得られるといった事になります。一般的には、秋の稲刈り後に一回耕起を行い、春になって代かきの前に1~2回耕起を行うケースが多いです。
耕起により充分な作土を確保することは、水稲の根張りの深さを決めることになり、この後の田植え作業や稲の生育に大きく影響します。一方、耕起によって土壌養分の流出や土壌の乾燥化を招く場合もあり、農業機械などによる作業のコストもかかるため、省力化や土壌流出の抑制、保水効果などを狙って耕起を行わない栽培も行われています。
耕深に注意が必要
通常、土壌の水分量が適切になった段階で耕起作業を行います。耕起は深く耕した方が良いと考えてしまうが、近年、作土の深さは徐々に浅くなる傾向にあると言われています。これは、耕起後の代かきや田植え作業を効率良く行うためであり、耕深はだいたい10〜15cm程度が良いとされています。
深く掘りすぎるとトラクターの車輪がとられたり走行が困難になったり、土壌の乾燥が遅れたりします。また、浅すぎても初期生育は良いものの、後半の生育が悪くなる可能性もありその土地や品種にあったやり方を見つける必要があります。