【5月下旬】田植えと合鴨と脱走と
合鴨のヒナたちが来てから少しして再びみのる産業さんに来て頂き、田植えを行いました。みのる田植機は従来の田植機と異なり、前方に植付部が付いていることで圃場の角にまで植えられ、その後の補植が必要ないとのことでした。
しかしそこで問題が。圃場の飼育ハウスに移しておいた合鴨たちが脱走していたのです。僕の圃場を乗り越え、宮川さんの圃場を優雅に泳ぎまわっていました。代かき後の圃場のため中に入ることも叶わず、畦畔の端からおーい!と叫んだりして合鴨をハウス側へ移動させ、防獣ネットで道を作りなんとかハウスへ帰還させることに成功しました。
田植えから3日後、圃場内の飼育ハウスに移動させておいたアイガモ達を圃場へと開放してやりました。初めの方はハウス付近で固まっていた鴨達ですが、時間が経てば圃場の一番奥へも移動していました。鴨達は1羽もはぐれることなく集団行動で圃場をまわり、虫を探しているのか、水中へと顔を突っ込んでいました。
【6月中旬】合鴨、暴走
それから一週間、順調に飼育は進みましたがある日の朝、圃場を見に行ってみると稲が圃場の3分の1程度しか残っていませんでした。そこではアイガモ達が稲をついばんでいたり、今まで避けるように泳いでいたはずの稲を踏み倒して走り回っていました。
どうやらエサの量が足りなかったらしく、稲を食べたり虫を追い掛け回していたりしたようです。あまりにもひどい状況になってしまったため、合鴨をハウスに戻し補植を開始しました。幸いポット苗だったため畦際から投げ込むといった手法で補植を行いました。その後、無事回復した稲でしたが投げ込みで補植を行ったため稲の密度の濃淡が目立ちました。
【7月中旬】消え去った合鴨達
そして、稲株も安定してきた頃、突如合鴨の数が半減すると言った事件が起こりました。朝、圃場の見回りへ行くと畦際に1羽の合鴨の死体がありました。圃場内は防獣ネットで囲ってあるために抜け出すことは無いはずですが…。その上、その死体が丁重に横たえられていたため、これは人の仕業ではないかと皆で話し合いました。その合鴨の死因を探るために解剖を行い食道を開きましたが、食べ物が原因で死んだ様ではありませんでした。その後、もう一度圃場に戻って鴨の数を数えてみたところ、33羽にまで減少していました。明らかにおかしい状況であったため、後日フィールド用の監視カメラを購入し、圃場に設置しました。
鴨が半減してから少し時間が経って、今度は日に2~3羽ずつ合鴨が居なくなるといった現象が起きました。これは、キツネかイタチの仕業であるに違いないと思い、監視カメラを設置し続けた所、丁度キツネが鴨を咥えて圃場から走り去るシーンを捉えることが出来ました。ですが、その後防獣ネットの点検を行ったにも関わらずキツネは侵入し、どんどんと鴨の数が減ってしまいました。さすがに5羽を下回ってしまった頃にはもう諦めてしまい、今回は人に大半、残りをキツネに合鴨を取られてしまうという残念な結果に終わってしまいました。
⇒次回、【8月上旬】「合鴨はいなくとも稲は育つ」に続く
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