白米に含まれる炭水化物の特徴
ほぼ毎日食卓に並ぶ白いご飯。何気なく取り入れている白米にはどんな栄養があるか、ご存知でしょうか。白米の主な成分は、炭水化物です。炭水化物は生命の維持に不可欠な三大栄養素の一つで、人間の体を作るもととなる重要な栄養素です。摂取されると体内でブドウ糖に分解され、脳や体を働かせるエネルギー源となります。お米の炭水化物は、お肉などの脂質よりもエネルギーとして消費されやすく、また、粒のままで食べるので、パンや麺類より消化吸収がゆっくりと行われます。
良質なタンパク質のチカラ
炭水化物の次に、お米に多く含まれるのが、タンパク質です。筋肉や骨、血液などを作るのに欠かせない大事な栄養素です。人間の体に不可欠な約20種類のアミノ酸のうち、体内で合成できないため食物から摂取する必要があるアミノ酸を、「必須アミノ酸」といいます。この必須アミノ酸を、白米のタンパク質はバランスよく含んでいるため、パンなどの穀物より優れていると言われています。
この、必須アミノ酸を摂取すると、脳に満足感を高める物質であるセロトニンが分泌されるので、食べ過ぎを防ぐことができます。白米には他に、カルシウム・鉄といったミネラル、ビタミン、食物繊維も含んでいます。人間の体を作る重要な栄養素を幅広くとることができる、一杯のご飯が秘めたチカラは侮りがたし、なのです。
冷めたお米が秘めたパワー
ご飯を炊く前のお米はデンプンが固まった状態ですが、炊飯することで結合が解かれ消化しやすい状態になります。この炊きあがったご飯が冷めるとデンプンが再び結合して、レジスタントスターチ(難消化性デンプン)という人間が消化しにくいデンプンに変化します。
通常、デンプンは体内に入ると糖質に分解され、小腸で吸収されます。しかしレジスタントスターチ(難消化性デンプン)に変化したデンプンは、消化されないまま大腸まで届きます。大腸内では腸内細菌の餌となり、酪酸・酢酸・プロピオン酸という成分に分解され、結果として体内に蓄積する脂肪酸を抑えたり、脂肪の燃焼を促したりします。また、温かいご飯に比べて血糖値が上がりにくいといった効果が期待できることが報告されています。
現代では炊きたてのご飯を食べることが多いですが、おにぎりなど冷めても美味しいお米には、こんな隠れたチカラがあるのです。昔の日本人は無意識に豊富なレジスタントスターチ(難消化性デンプン)を摂取し、健康を維持してきたのでしょう。