東北を中心に全国各地で栽培されている「ひとめぼれ」。みなさまもスーパーなどで見たことがあると思いますが、品種や味の特徴をご存知の方は少ないのではないでしょうか。
なんと、「ひとめぼれ」の作付け面積はコシヒカリに次いで第二位。今回はそんな「ひとめぼれ」の隠れた魅力についてご紹介いたします。
「ひとめぼれ」の誕生
「ひとめぼれ」は1991年に宮城県の古川農業試験場で誕生しました。両親は、言わずと知れたお米の王様「コシヒカリ」と「初星」という品種を掛け合わせであり、味の良さは親譲りのポテンシャルです。1993年の大冷害でササニシキの収穫量が激減したことを受け、
寒さに強い「ひとめぼれ」が代替え品種として注目され、徐々に栽培面積が増えていったといいます。栽培が比較的に楽であり、コシヒカリ譲りの美味さがあるとして、全国各地で生産されるようになり、今ではコシヒカリに次ぐ栽培面積を誇るまでに広がっていきました。
名前の由来は、出会った瞬間に見た目の美しさと美味しさに「一目惚れ」してしまうようなお米との特徴から「ひとめぼれ」との名が全国からの応募により、名付けられました。
「ひとめぼれ」の特徴
「ひとめぼれ」は原産地である宮城県をはじめ、岩手県、福島県、秋田県でで作られており、南は沖縄まで幅広く栽培されている品種です。
特徴も産地や作り手によって様々ではありますが、大きく分類すると「ふっくら」という言葉で表現するのが最も適切な品種です。
ふっくらとよく炊けるお米であり、優しい舌触り、柔らかい食感が魅力のお米です。
しつこい粘りや、甘さの主張が強いお米ではないため、繊細な味わいを楽しむ和食にもピッタリ。焼き魚やお刺身、煮物など、日本らしいおかずにしっかりと寄り添う優しい味わいです。
産地によって特徴も少しずつ異なりますので、食べ比べをしていただき、お気に入りの「ひとめぼれ」を探してみてはいかがでしょうか。
ツナギでおすすめのひとめぼれ
西部開発農産(照井勝也)さんの
岩手県北上市産ひとめぼれ
ソフトな味わいと優しい食感が特徴となっており、バランスのとれた、どんな料理にも合う、名脇役というに相応しいいぶし銀な味わいが魅力です。稲作専門のプロ集団が作る渾身のお米です。
斎藤陸彦さんの
山形県鶴岡市産ひとめぼれ(特別栽培米)
粒張りが良く適度な粘りと弾力があり、コシヒカリに引けを取らない食味があります。庄内平野の自然環境豊かな地で、農薬・化学肥料の双方を削減し栽培した特別栽培米です。