連載「お米ができるまで」第一弾は土づくりについてご紹介いたします。全国各地、さまざまな栽培方法があり、生産者毎にその手法が異なりますが、何よりも大切なことはその土地や環境に合わせた土を作ること。稲が健やかに生長させ、美味しいお米を作るためにどのように土を作っているのかを、ほんの一部ではありますが一般的な土づくりをご紹介いたします。
土づくりとは
読んで字の如く土を作ること。稲は土から水や養分を吸い上げることで健やかに生長することができます。そのため土を作ることは非常に重要であり、基本的には収穫が終わった秋から来年の田植えに向けて土づくりが始まります。また、田んぼに残った稲藁や稲株をしっかりと耕すことで、早く分解を促進させることも非常に大切であり、ここで手を抜くと翌年の生育に大きな影響が出てきます。
一般的な土づくりの方法
■秋耕
前述の通り、農家の皆さんは収穫が終わっても休むことなくすぐに翌年の準備としてトラクターを使い、土を耕して土づくりを始めます。ここで稲藁や稲株を放置してしまうと翌年にガスが発生し生育不良や酸素欠乏になってしまうことがあるため、比較的気温の高い秋の段階でしっかりと耕し、土の中で分解をさせることが大切です。
また、耕す際には、稲の根がのびのびと育つことができるように15〜18cmほどの深さの深耕を推奨している地域が多く、倒伏軽減や収量向上、排水性の向上にも効果があるとされています。
■有機物の活用
土づくりの基本は有機物を活用することであるとされています。もっともポピュラーな資材は、牛ふんなどの堆肥であり、養分としての意味だけではなく微生物の量や土の硬さ・保水・水はけ具合を調整し、豊かな土を作る意味もあります。他にも田んぼの状況に合わせて鶏糞や菜種カス、くず大豆などさまざまな有機資材を用いられています。また、レンゲやヘアリーベッチ、レッドクローバーなどの種を田んぼに播き、良きタイミングで土に混ぜ込む「緑肥」を選択している産地もあります。
■珪酸・石灰・苦土資材の活用
珪酸は茎をしっかりと固くするために必要成分であり、倒伏軽減を促すほか太陽の恵をしっかりと浴び光合成を促進させることにつながる重要な成分です。また適切に珪酸を施すことで、病害虫への抵抗生が高まるとされています。
石灰は、土壌中の酸度を調整し、カルシウムを補給する役割もあります。よく使用される石灰窒素は稲藁の分解を促進せせ、田植え後の初期生育を健やかにすると言われています。また、苦土はマグネシウムのことであり、葉っぱの葉緑素を作るをサポートする効果があると言われ光合成の効率に大きく関わっています。
良い土を作るためには、マニュアルに則った教科書的な判断ではなく、土壌環境をしっかりと把握するため土壌分析を行い、周辺環境や気候に合わせて適切な土づくりをすることが大切です。
次回もお楽しみに。
ツナギ流!美味しいお米の炊き方の動画をツナギyutubeチャンネルにてアップしています。
ぜひ動画も参考にしてみてください。
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ツナギおすすめのお米
小野清満さんの秋田県横手市産
あきたこまち(特別栽培米)
肥沃な土壌を連想させる香ばしい香りとじんわりと口に広がる甘さをお楽しみいただけるお米です。土づくりにじっくり時間をかけ、「あきたこまち」をどこまでおいしくできるかを追求しました。肥沃な土壌を連想させる香ばしい香りとじんわりと口に広がる甘さと旨みをお楽しみください。
しまさき農園(島崎真人)さんの
山形県南陽市産つや姫(特別栽培米)
有機質肥料を主体に育てた自信作です。冷めても美味しいお米です。完熟もみ殻たい肥、3種類の有機質肥料、自家製の米ぬか肥料をベースに土づくりをして栽培したお米です。炊き上がりはもちろん冷めてからでも甘味を感じるお米です。
笠原農園さんの
新潟県南魚沼市産コシヒカリ
美味しいお米の産地として有名な魚沼。その中でも特に食味評価が高い地区が南魚沼です。粘り・ツヤ・甘み・香りと、どれをとっても申し分ないお米が採れる地域です。その地で米食味分析鑑定コンクールでダイヤモンド褒賞を受賞した匠の作る逸品です。