連載「お米ができるまで」第2弾は育苗について。種子の準備や床土、播種などについてご紹介いたします。育苗も様々な手法があり、地域や生産者によって大きく異なる場合もありますが、ここで大切なのはしっかりと根が張り、太くしっかりとした苗を作ることです。今回は代表的な育苗の方法を中心に概要を紹介いたします。
種子予措(しゅしよそ)
種子予措とは、簡単にいうと種の準備をすることです。
①塩水選
「塩水選」は良い種だけを選別するために古くから行われている手法です。
一定濃度の塩水を作りそこに種を入れることで比重・浮力の違いにより、軽く中身の無い種が浮き、重く良質な種は沈みます。
浮いた種を取り除き、沈んだ種だけを集めて播種用として使用します。塩水選後は必ず水洗いをして塩分を洗い流します。
②種子消毒
この段階では非常に弱く、病気の元となる様々な菌を持っているため、発芽させる前に消毒をすることが重要です。
一般的には殺菌剤を利用する薬剤消毒と、お湯を利用する温湯消毒の2種類があります。
農薬を減らして作られる特別栽培米の場合は、温湯消毒を採用する場合が多く、60℃のお湯に10分間または58℃のお湯に15分間浸すことで、「ばか苗病」や「いもち病」などの病気に対して薬剤を使った場合と同等の効果が期待できます。
③浸種・催芽
種子消毒が終わったら水に浸し、しっかりと吸水をさせる段階に移ります。地域や品種によっても異なりますが10〜13℃くらいの水に8〜10日間浸すことを目安とし、水を交換しながら種子にしっかりと吸水させます。
その後は、種子の胚に生長に適した温度を与えることで、芽を出させる催芽という作業に移ります。28〜30℃くらいの水温に15〜20時間ほど浸け、様子を見ながら鳩胸状態(芽が1mmを超えない程度)になるまで継続します。
育苗後編に続く。次回もお楽しみに!
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