日本人のソウルフードともいえる“おにぎり”。おにぎりと聞いて、パッと思い浮かぶイメージは、海苔が巻いてあるザ・おにぎりの姿だという方も多いのではないでしょうか。
そんな、おにぎりには欠かせない海苔ですが、実は栄養面からみても、お米と相性抜群なんです!
今回は、ごはんの名脇役である『海苔』にフィーチャーしたいと思います。
『海苔』って何者?
日本で一般的に海苔と呼ばれるものは、薄く板状に加工された、四角い海苔が多いと思います。
紅藻類ウシケノリ科アマノリ属の海藻を原料に作られており、アサクサノリやスサビノリを養殖したものが多いようです。
海苔の旬は冬で、11月頃から収穫され、新海苔として出回るようになります。
同じ海苔でも、加工法によって
・乾海苔…原料を板状に加工して乾燥させたもの
・焼き海苔…乾のりを焼き上げたもの
・味付け海苔…焼き海苔に調味料で味付けしたもの
に分類されます。
スーパーなどでは、ほとんどが焼き海苔または味付け海苔として流通しています。
海苔といえば、西日本では味付け海苔、東日本では海苔といえば焼き海苔…などと言われるように、好みにも地域差があるようです。
青のり、韓国海苔との違い
名前に海苔がつくものに、青のりや韓国のりなどもありますが、種類の違う海藻が原料になっています。
青のりの原料になるのは緑藻類で、鮮やかな緑色をしています。
ざっくりと青のりと呼ばれているものにも、アオノリ、アオサ、ひとえぐさ(沖縄でアーサーと言われています)などの種類があります。
韓国海苔も、最近は手に入りやすくなり、日常的によく食べるという方も多いのではないでしょうか。
韓国海苔は、日本では岩海苔と呼ばれる、オニアマノリやイチマツノリが原料になっています。
ごま油と塩で味付けされており、穴が大きいほど高級品と言われたりもするようです。
日本の海苔は、穴が開いてると、“はねだし”や“寿司はね”などといって、お買い得品になっていたりするので、その違いも面白いですね。
『海苔』の栄養価
なんとなく栄養がなさそう…といったイメージを持たれることも多い海苔ですが、実は身体に必要な栄養が沢山含まれています。
海苔の栄養成分
100g当たり | 焼き海苔 | 味付け海苔 |
エネルギー | 297 kcal | 301 kcal |
たんぱく質 | 32.0g | 31.5g |
脂質 | 2.2g | 2.2g |
炭水化物 | 19.2g | 26.0g |
食物繊維 | 36.0g | 25.2g |
カリウム | 2400mg | 2700mg |
カルシウム | 280mg | 170mg |
マグネシウム | 300mg | 290mg |
鉄 | 11mg | 8.2mg |
ビタミンA(レチノール活性当量) | 2300μg | 2700μg |
ビタミンB1 | 0.69mg | 0.61mg |
ビタミンB2 | 2.33mg | 2.31mg |
ビタミンB6 | 0.59mg | 0.51mg |
ビタミンB12 | 58.0μg | 58.0μg |
ナイアシン | 20mg | 20mg |
葉酸 | 1900μg | 1600μg |
ビタミンC | 210mg | 200mg |
食塩総当量 | 1.3g | 4.3g |
日本食品標準成分表2020年版(八訂)より
海苔の全形1枚は3gなので、一度に食べる量は少ないのですが、それでも様々なビタミンミネラルを補うことができます。
いくつかの項目を焼き海苔全形1枚3g当たりに換算してみると、
食物繊維1.2g (整腸作用。血糖値上昇を抑制。血中コレステロール値を下げる。)
鉄0.4g (赤血球の材料で、全身に酸素を運ぶ。鉄欠乏性貧血の予防。)
ビタミンA 76μg (粘膜や皮膚を整え、免疫力を保つ。)
ビタミンB12 1.9g (造血作用のあるビタミン。ほとんどの植物性食品には含まれていないので、ヴィーガンなど動物性食品を摂らない食生活の場合、特に不足しやすい。海苔は貴重なビタミンB12源。)
葉酸63μg (造血作用のあるビタミン。DNAなどの合成を促し、細胞を作ったり再生させたりする。妊娠前~産後にかけて意識的に摂取する必要あり。)
…など、身体にうれしい栄養素がしっかり含まれているといえます。
日本人の食卓に欠かせない!ごはんと食べたい『海苔』
海苔には、意識してコツコツ摂取したい栄養素も多いので、主食であるごはんと組み合わせて、こまめに食べると良いですね。一度に沢山食べると消化不良の原因になりますので、食べすぎには注意が必要です。
ごはんのお供だけでなく、おかずの味付けや、サラダの具材などにも海苔を取り入れると、バリエーションも広がります。
ただし、味付け海苔は、調味料で味付けされている分、焼き海苔と比較しても塩分や糖分、添加物も多くなっています。
お米のおいしさを引き立て、自然な磯の香りを楽しめる、焼き海苔を選ぶことをおすすめします!
次回のコラムでは、お米との栄養的な相性の良さを深堀りしていきたいと思います♪
関連記事→【焼おにぎりの日】 由来と歴史 究極の焼きおにぎりレシピ
おにぎりにオススメのお米
渡部洋巳さんの
山形県高畠町産つや姫(特別栽培米)
ツヤツヤとした輝く見た目、炊き上がりの白さは際立ち、もっちり感や甘味も良いお米です。冷めても美味しく、お弁当やおにぎりにも最適です。「米・食味分析鑑定コンクール」で総合部門・金賞を受賞している農家が育んだ逸品。
西部開発農産(照井勝也)さんの
岩手県北上市産銀河のしずく
岩手の本気が生んだブランド米「銀河のしずく」は、岩手県で開発した品種ではじめて、食味ランキングで最高評価の「特A」を受賞。炊き上がりが白く、つやのあるお米です。バランスのとれた食味が特徴です。
加賀米野菜基地さんの
石川県金沢市産にこまる(有機JAS転換期間中)
自然環境と人の健康に配慮して、栽培期間中、農薬と化学肥料を一切使わずに育てました。艶あり、滑らかな粒感。優しい弾力としっとりとした噛み心地のバランスがよく、飲み込んだ後に甘い香りが鼻に抜けます。