今や青森を代表するお米とも言える「青天の霹靂」。青と白でデザインされた素敵なパッケージは皆さんも一度は目にしたことがあるかと思います。
近年、様々な新品種・ブランド米が登場しておりますが、このお米もその一つ。これまでの青森米のイメージを覆す味わいで、鮮烈デビューした青天の霹靂についてご紹介いたします。
青天の霹靂とは
青天の霹靂は、2015年に奨励品種に指定されデビューした青森県のオリジナル品種です。「青森県産業技術センター農林総合研究所」にて2006年から育種が始まり、青森県産米のイメージアップを目指し病気や寒さに強く、味の良いお米を目指し、手間暇かけて育成されました。系譜は『北陸202号』×『青系157号』のF1と『青系158号』の掛け合わせであり、4世代前には「ひとめぼれ」や「あきたこまち」などコシヒカリ系統の良食味米の品種も名を連ねています。
2018年からは安定生産と食味のレベルアップを目指すため県主導で生産指導プロジェクトチームを組成し、品質向上に向け官民一体となった取り組みを開始。生産者毎に「生産指導カルテ」を作成し、目標に達していない生産者には重点指導対象として個別に対策を指導するなど、地道な努力を続けてきた結果、食味・収量ともに飛躍的に向上し、青森米のイメージを覆す立派なブランド米として成長してきました。
また、大きな特徴とも言える品種名は、青天の「青」は青森の青、天は遙かに広がる空。「霹靂」は稲妻のことで、稲に寄り添い米を実らせます。晴れわたった空に突如として現れる稲妻のような、鮮烈な存在にしたいとの想いが込められています。
※最近は「青天の霹靂」と「晴天の霹靂」とどちらで書くか迷う方が増えていますが「晴天の霹靂」は誤りです。青天(あおいそら)の方が正しいと覚えましょう。
参考:青森米本部HP 青天の霹靂https://aomori-komehonbu.gr.jp/seitennohekireki/
栽培基準
青天の霹靂は誰でも作れるお米ではありません。消費者に高品質なお米を届けるため、下記のような生産目標や作付可能地域、栽培基準などが設定されています。ここまで厳しく管理されているため、味の良い青天の霹靂を食卓に届けることができます。
①生産目標
・玄米タンパク質含有率の目標:水分15%換算 6.0%以下 (乾物換算で7.0%以下)
・収量目標:9俵/10a程度
・適正な生産工程管理:自己点検チェックシートによるチェック
②作付けエリア
津軽中央から津軽西北エリアで特に良食味生産が可能な水田
③栽培基準
・土壌診断に基づく土壌改良
・農薬使用回数(成分)は通常の2分の1以内
・種子更新率100%
・栽培管理記録の記帳
④出荷基準
・玄米タンパク質含有率:水分15%換算 6.4%以下 (乾物換算で7.5%以下)
・農産物検査法に基づく検査等級:1等及び2等
⑤生産者登録
あおもり米「青天の霹靂」ブランド化推進協議会が定める生産者登録要領に則り、所定の登録が必須。
また、衛生画像を活用し栽培状況を的確に把握するため「青天ナビ」というwebアプリを生産者に提供しており、田んぼ1枚ごとの生産管理役立つ「収穫適期マップ」「タンパクマップ」など先進的な技術を用いて米作りが行われています。
加工品としても人気の青天の霹靂
青森スティック、青天の霹靂せんべい、青森スティック、チョコワッフルなど青天の霹靂を原料とした数多くのお菓子が続々と登場しています。
中でも青天のフィナンシェは青森県産米「青天の霹靂」の米粉を使い、アーモンドパウダーとバターの豊かな香りに、ほんのりお米の風味を感じるフィナンシェであり、お土産品としても人気があります。
また、地元の酒蔵である桃川さんは青天の霹靂を100%使用した「青天の霹靂 桃川 大吟醸純米酒」が販売されており、International Wine Challenge2022 純米大吟醸酒の部 Commended推奨酒にも選ばれています。
さらに奥入瀬ビールからは、2023年12月13日より「青天の霹靂」使用したオリジナルビール 『奥入瀬ビール』が発売されています。
世界有数のブナの森から、長い年月をかけて湧き出す伏流水をベースに青天の霹靂を副原料に使用したフルーティーな香りと、甘みと酸味の爽やかな味わいが特徴のビールで地元でも人気を集めています。
青天の霹靂の味わい
青天の霹靂は粘りとキレのバランスの良さが特徴であり、さっぱりとした表現を使われることが多いお米ですが、程よいもっちり感やすっきりとした甘さもしっかりと感じるお米であり、首都圏でも人気のお米となっています。
食材豊かな青森で育ったお米らしく、海の幸・山の幸などどんなおかずとも喧嘩せず、存在感のある引き立て役となってくれます。特に青森特産の「ねぶた漬け」や「筋子」などシンプルでパンチの効いたご飯のお供に合わせると箸が止まらなくなる逸品です。
「青天の霹靂」に関連するニュース
JA全農あおもりでは10月10日を「青天の霹靂」の日として日本記念日協会に登録しており、2023年の新米発売日には青森県知事自らが青森市内のスーパーにて消費者へ直接PRするなど県全体で青天の霹靂を後押ししています。
まだ青天の霹靂を食べたことがない方はぜひこの機会にお召し上がりいただき、青森県の総力を懸けた味わいをご体感ください。