お米の消費量は50年前の半分以下
「主食は何ですか?」と聞かれれば多くの日本人が「ご飯」と答えると思います。ただ、ライフスタイルの多様化といった近年の大きな時代の変化は、日本のお米の消費量にどのような影響を与えているのでしょうか。
日本の一人当たりのお米の消費量は、1962年度の一人当たり年間118.3kgをピークに減少を続け、2013年には半分以下の56.9kgになってしまいました。一月に一人当たり5kgも食べなくなってしまった計算になります。お米の消費量全体も、日本の総人口が減少傾向にあり、少子高齢会が進むため今後減っていくと予測されます。
ライフスタイルの多様化
2012年に総務省が発表した家計調査では、1世帯当たりパンの購入金額が、米を買った金額を初めて上回りました。2000年には1世帯当たり3万8920円だったお米への支出は、2013年には2万8093円と約1万円減少しました。パンや麺類の支出推移には大きな変化はみられず、代わりに増えてきているのが中食や外食への支出です。
中食とは、惣菜やコンビニ弁当など家庭の外部の人によって調理された食品を自宅で食べることで、年ごとに市場は拡大しています。最近では、朝食を自宅以外の学校や職場で食べる人が増えるなどライフスタイルの多様化により、米の需要のバランスが変化しているようです。
米粉のような新規需要創出が大事
お米の需要において近年期待を集めているのが米粉です。米粉は、小麦アレルギーがある方に喜ばれ、小麦を一切使用しないケーキなどに使用されるなどしています。最近では、小麦価格の高騰などから小麦の代用品ではなく新たな食材として認知され、さまざまな料理に幅広く使われています。米粉のように新しく需要を喚起する取り組みがこれからは大変重要になってくると考えられています。
美味しいお米が持つ、香り、食感、甘みは、私たち日本人の五感を心地よく刺激します。現代のライフスタイルに合わせ、さまざまなシーンでお米を食べる生活を楽しみ、その美味しさ味わっていきたいものです。