かつてコシヒカリのライバルだったササニシキ
ササニシキというお米、最近店頭であまり見かけなくなったのではないでしょうか。実は今ではなかなか購入できない希少なお米になってしまいました。かつてはコシヒカリと並んで両横綱と呼ばれるほど、美味しさに定評があり、大人気のお米でした。
もちもちとした粘りのあるコシヒカリと違って、ササニシキはあっさりとしていて、おかずを引き立ててくれる和食にぴったりなお米です。口の中でふわ〜と解けるほぐれ感がお寿司にぴったりなことから、かつてはお寿司屋さんといえばササニシキというくらい、お寿司屋さんに大人気でした。また、パラパラとする特徴があるため、チャーハン等の炒めご飯や丼料理、中華料理にもよく合います。毎日の食事、特に和食を引き立ててくれるササニシキの魅力に惹かれる根強いファンも多くいらっしゃいました。
ササニシキはなぜ減ったのか
ササニシキは昭和38年に宮城県で生まれた品種で、奥羽224号とササシグレを掛け合わせて作られたお米です。寒い東北地方でも、収量が多かったことから、急激に生産量が増えていったと伝えられています。
平成2年にはコシヒカリに次いで、全国の作付面積第2位にまで拡大しましたが、平成5年に襲った大冷害の被害により、ササニシキの作付面積が急激に減少しました。同時期に栽培がより容易なひとめぼれという品種が登場し、このひとめぼれに東北地方での作付面積第1位を譲ることになりました。ササニシキは耐冷性、耐病性、耐倒伏性の面からも育てるのが難しいとされ、作付面積が大幅に減少してしまったのです。
再び人気が出つつあるササニシキ
生産するお米農家が激減したササニシキですが、今でも多くのお寿司屋さんに好まれています。最近人気のもちもちとした食感のお米は、粘りが強く、寿司酢が米粒に染み込みにくいそうです。また、米全体のうまみが強いので、繊細なネタの味の邪魔をしてしまうようです。生産量が少ないササニシキが手に入らず、さまざまな工夫をしているお寿司屋さんもいるとのことです。
ECサイトを運営している著者の感想ではお寿司屋さんだけでなく、一般のお客様でも最近、さっぱりとしたお米が欲しい!と希望される方が増えている印象があります。人気のミルキークイーンやゆめぴりかといったもっちりとしたお米を少し食べ飽きてしまったお客様がサッパリ目のササニシキを探して購入されるケースが増えています。お米の好みの揺り戻しが起きているんでしょうかね。
ササニシキは発祥の地、宮城県でも生産している農家さんがかなり少ない状況です。従って、手に入りづらいお米ですし、在庫も比較的早くなくなってしまいます。サッパリ目のお米人気が強くなって、またササニシキの生産量が増えるようにツナギも頑張っていきたいと思います!
ツナギでおすすめのササニシキ
ライスサービスたかはしさんの
宮城県栗原市産ササニシキ(特別栽培米)
ササニシキ発祥の地、宮城県でそのササニシキを守り続ける専業農家が育んだ特別栽培米です。あっさりとした食感や香りも良いことから和食など向いた、今では希少な根強い人気があるお米です。
佐藤ファーム(佐藤和久)さんの
山形県米沢市産ササニシキ(特別栽培米)
山形県の南部に位置する米沢は、四方山々に囲まれた自然豊かな環境にあります。盆地特有の昼夜の寒暖差が高い気象条件のもと、夏でも冷たい自然の水や、有機質肥料100%で土作りをして育んだお米です。粘りが少なく、さっぱりとした味に仕上がっています。手巻き寿司、和食などに向いています。
西部開発農産(照井勝也)さんの
岩手県北上市産ササニシキ
ササニシキはコシヒカリとは対照的に、あっさりとクセのない味が特徴で、特にお寿司屋さんなどでよく使われています。小粒でしゃっきり、あっさりとした食感を持っており、噛むほどに増すほのかな甘みがあります。稲作専門のプロ集団が作る渾身のお米です。