日本人とお米の密接な関わり
日本人にとってお米は、主食というだけでなく日々の生活や年中行事にも深く関わっている面白い存在と言えます。例えば、お正月の鏡餅。これは年神さまへのお供えと言われています。お正月には鏡餅をお供えし、年神さまを迎えて新年を祝い、健康や幸せをお祈りします。
このお米から作るお餅は神の力が宿る神聖な食べ物と考えられ、正月や節句、結婚式など特別な日にはよく用いられていました。子供がお正月にもらうお年玉も、もともとはお餅でした。お餅には年神様の御魂が宿っていると言われ、このもちをお年魂・お年玉として分け与えるという考えに由来していると言われています。
また、全国各地で行われている年中行事やお祭りのルーツは、その多くが豊穣を祈願するものであったと言われています。田植えの時期の田遊び・御田植祭や収穫の時期には新嘗祭等多くの行事が行われます。また、現在国技として親しまれている相撲ももともとは農作物の収穫を祈願する儀式と言われています。豊作を祈願し、米が食べられることに感謝をする。それは日本人が生活を営んでいく上で、欠かすことのできない気持ちの持ちようであると言えます。
お花見の起源!?
先日、東京でも桜の開花が発表され、花見が楽しみな季節になりました。大昔、田の神は「さ」と呼ばれ、座(くら)は座る場所という意味の言葉でした。日本人の好きな桜の名前の由来は、一説としてこの田の神が座る場所ともいわれています。毎年、田植えの前にその年の豊作を願い、桜の下で宴を催し、神をもてなしたのが、お花見の起源とされています。そんな由来に想いを馳せながらお花見をするのも楽しいものですね。