言わずと知れた米どころ秋田県生まれの「あきたこまち」。皆様おなじみのお米ではありますが、詳しい特徴や歴史をご存知の方は少ないのではないでしょうか。
今回はそんな「あきたこまち」の知られざる情報についてご紹介します。
「あきたこまち」驚きの出身地
「あきたこまち」は当然秋田生まれと思われてるかと思いますが、そのルーツはなんと福井県。昭和50年(1975年)に福井農業試験場にて育種されていた数々の品種の中に、「コシヒカリ」と「奥羽292」を交配させたお米がありました。
偶然、勉強に来ていた秋田県農業試験場の研究員が、秋田の地に合うかも知れないとそのお米を手渡され、持ち帰った1株が「あきたこまち」の原石だったのです。
研究員は持ち帰った1株を大事に育て、秋田の気候に合う系統を見つけるため10万株以上から選抜を行い、優良な株を1つに絞り込みました。その後、昭和59年(1984年)に当時の秋田県知事が記者の前で発表し、正式に「あきたこまち」が誕生。
秋田県雄勝町小野の里に生まれたと伝わる美女「小野小町」にちなみ、美味しいお米として名声を得るようにとの願いを込めて「あきたこまち」と名付けられました。ちなみに誕生は9月7日です。
あきたこまちの生産量
こうして30年以上前に誕生した「あきたこまち」は、全国でどのくらい作られているかご存知でしょうか。品種別の作付け面積1位は、皆さんもご存知の「コシヒカリ」。全国で作付けされているお米の35%が「コシヒカリ」と言われています。「あきたこまち」は、「ひとめぼれ」「ひのひかり」に続き、全体の6.8%の4位。以外に少ないと思われるかも知れませんが、秋田県だけでも約40万tも収穫され、全国に届けられています。また、食味が高く、収穫時期をずらすことができるため重宝され、茨城や岩手をはじめ、全国各地で生産されています。
「あきたこまち」の特徴
産地や栽培方法によって特徴はが若干異なりますが、やや小粒でころんとした粒感のお米です。豊かな土壌を連想させる香ばしい香りがあり、もちもちとした食感に優しい甘さが口に広がります。粘りはやや少なく、すっきりとした後味を楽しむことができ、しつこくないため朝食にもピッタリ。香ばしい香りがしっかりとあるため玄米好きの方にも好まれるお米です。