全国的認知度が上がり、北海道米といえば「ゆめぴりか」と答える人も多いと思います。しっとりと柔らかくもっちりと粘るタイプのお米でファンの多いお米です。
一方、お米界の王様といえば「コシヒカリ」です。新潟を中心に各地で栽培され、いまだに作付け面積は圧倒的に日本一を誇っています。
ところで、皆様はこの2つの品種の違いをご存知でしょうか。今回はこの2つの品種の違いについてご紹介いたします。
「ゆめぴりか」と「コシヒカリ」の歴史
まず、「ゆめぴりか」は1997年に北海道立上川農業試験場で交配されたところから歴史がスタートします。最初は「上育453号」という名前で育成が続けられ、2008年に北海道の広い範囲で試験栽培が始まりました。その後、一般公募にて「ゆめぴりか」という名称が決まり、有名なCMと同時に全国的に認知度が高まってきたお米です。系譜は「北海287号」と「ほしたろう」の子供に当たり、先祖には「きらら397」や「ゆきひかり」など北海道らしい品種の血統を受け継いでいます。
一方、「コシヒカリ」は1944年に新潟県農業試験場にてその歴史が始まります。先日中の人手不足により育成が一時止まっていた背景もあり、その歴史の深さが年代からも窺えます。保存されていた種は、1946年に系統選抜が再開され、翌年に福井県農業試験場が育成を引き継ぎ、後のコシヒカリ「越南17号」が誕生しました。
系譜は、「農林22号」と「農林1号」の子供に当たり、先祖には銀坊主や朝日など歴史を感じさせる古い品種が名を連ねています。
食味の良さから、新潟県だけではなく全国各地で栽培されており、全体の33%ほどがコシヒカリとなっており、2位のひとめぼれは8%程度と圧倒的な差があります。
「ゆめぴりか」と「コシヒカリ」の味の違い
コシヒカリは弾力のある粒感と程よい粘り、噛むほどに甘みが出てくる味わいが特徴です。全国で一番多く生産されている品種だけあって万人受けする良食味な品種といえます。
様々なおかずとの相性もよくシーンや好みを選ばずに食べていただける品種です。お魚でもお肉でもおかずを引き立てつつ存在感のある味わいで王道のもちうま系といえます。
一方ゆめぴりかは、キラキラとした美しい見た目と、しっとりと濃密な粘りが特徴です。お米に含まれるアミロースの含量がコシヒカリよりも低い品種のため、柔らかさや粘りを楽しむことができます。また、美味しさを左右すると言われる「タンパク値」に厳しい基準があり、7.4%以下の基準を満たさないものは基本的には出荷されません。
北海道限定の品種ではありますが、産地や作り手によって、その特徴も大きく異なりますので、ぜひお気に入りの「ゆめぴりか」を探してみてはいかがでしょうか。
ツナギ流！美味しいお米の炊き方の動画をツナギyutubeチャンネルにてアップしています。
ぜひ動画も参考にしてみてください。
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ツナギおすすめのゆめぴりか
小倉農園(小倉孝一)さんの北海道深川市産
「塩熟米 ゆめぴりか(特別栽培米)」
研究を重ねた小倉農園独自の「塩熟米ゆめぴりか」は「自然海塩」を田んぼにすき込み、栽培した希少で高食味の「ゆめぴりか」です。
たかしま農場(上島一也)さんの
北海道深川市産ゆめぴりか(特別栽培米)
北海道が誇れる最高級のお米を作ろう。という目的の元、長年の研究を重ねて誕生したのが「ゆめぴりか」です。ほどよい粘りと甘みが強く、やわらかくてつややかな炊き上がりのお米です。
武山農園(武山昌彦)さんの
北海道上川郡剣淵町産ゆめぴりか
武山農園のゆめぴりかは、艶々の炊き上がりで、お米の甘みが口の中に広がりモチモチした粘りがあって、おかずが無くても食べれる美味しさです!
編集者プロフィール
日本米穀商連合会 認定五ツ星お米マイスター 全国各地の美味しいお米を作る生産者を発掘するため、全国各地・年間100軒以上の農家さんを訪問しています。北海道から鹿児島まで200種類以上の食味鑑定を実施しました。産地に行き、直接お話することではじめてわかることが多々あります。お米のバックグラウンドまで美味しく食べていただきたいから、つくり手のこだわりや想いも一緒にお届けしていきたいと考えています。
