連載「お米ができるまで」第5弾は、いよいよ田植え編。しっかりと土を作り、丁寧に代かきをした後は、苗を田んぼに移植していきます。1パターンに見える田植えにもさまざまな手法があり、地域や生産者によって大きく異なります。今回は、田植えとその後の水管理の代表的な手法についてご紹介いたします。
①田植え
かつては全て人力で地域総出の一大イベントだった田植えですが、当然ながら機械化が進み田植え機を用いて田植えが行われています。
育苗した苗を田植え機にセットし、機械についている爪が回転しながら田んぼに1株ずつ植えられていきます。田植えと同時に肥料を田んぼに施用する「側条施肥」が行われることが多く、田植え機は一石二鳥以上の働きをしてくれます。
田んぼでは縦に植えられた列を「条」と呼び、その条同士の横の間隔(広さ)を「条間」、縦に並んだ株と株の縦の間隔を「株間」と呼びます。
条間は基本的には30cmとなっており、株間の間隔を調整することによって、1坪あたりにどのくらいの株を植えるかを決めることができます。この1坪あたりに植えられる株数のことを「栽植密度」と呼び、地域や生産者によってこの密度が大きく異なってくるのがポイントです。
一般的には、その後の健康な生育を促すため、温暖な地域では少なく、寒冷な地域では多くすることが基本となります。
一般的には株間は16〜18cmの設定で1坪あたり60〜70株程度で植え付けをしますが、株間をあえて広く取り20〜30cmの間隔で植え付ける「疎植栽培」を採用する場合もあります。
②水管理
田植えが完了した後は、水管理が主な作業となります。ただ水を貯めておけば良いというわけではなく、稲の生育段階や気候に応じて細かな管理が必要であり、決して簡単ではありません。この水管理が今後の生育や雑草の抑制を左右する大きなポイントになるため、手を抜くことはできません。
移植直後は深水で管理し、夜間の寒さから守り、活着後は浅水で管理し、気温が上昇してくる6月頃には「ワキ(異常還元)」が発生することがあるため、一時的に水を落とし、夜間干し等を実施することで、ガスを抜くこともポイントの一つ。時期に応じて適切な管理をすることが大切です。
一般的な生育の段階に応じた水管理は下記の通りとなりますが、こちらも田植え同様様々な手法があります。
活着期:深水(5cm)
分げつ期:浅水(3cm)
無効分げつ期:落水
幼穂形成期:浅水(3湛2落)
穂ばらみ期:浅水
出穂開花期:浅水
糊熟期:浅水(3湛2落)
黄熟期:落水
完熟期:落水
次回は、雑草のお話です。
ツナギ流!美味しいお米の炊き方の動画をツナギyutubeチャンネルにてアップしています。
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