連載「お米ができるまで」第9弾は、乾燥・調整編。実は収穫が終わった後も品質を左右するとても重要な作業が残っています。乾燥方法やその後調整方法によっては、お米の味や等級、品質に大きな影響を与えることになりますので、仕上がりを想定し丁寧に作業を心がけることが大切です。今回はそんな乾燥と調整についてご紹介いたします。
乾燥作業
かつては全て天日干しでお米を乾かしていましたが、現在は機械を用いて作業を行います。乾燥機には、JAなどが所有する大型の施設「カントリーエレベーター」だけでなく農家が個人単位で所有する小〜中型のものまで様々な種類があります。
収穫後はすぐに乾燥機に投入し、作業に入ることを基本としており、収穫した生籾は長時間放置しないことが原則です。高水分のまま長時間放置すると、着色粒が発生する原因となるため注意が必要です。
また、急激な加温は胴割れの原因となるため、最初は加温せず風のみで作業を開始し、その後は徐々に加温し、1時間当たりの水分減少を0.8%程度、温度は40度を目安に低温でじっくりと乾かすことが重要です。より丁寧に仕上げる場合は2段乾燥、3段乾燥といって、途中で6時間程度の休憩を挟み、米粒へのダメージを減らす方法もあります。
機械の進歩により作業は非常に簡便化されていますが、この匙加減や考え方は個々の生産者によってこだわりが異なり、味にも大きく影響する大切なポイントです。
調整作業
籾の水分が14.5から15%程度になったら乾燥作業は完了です。その後は、籾殻を取り除き、異物や粒の小さなくず米を除去する「籾摺り」などの調整作業に入ります。
籾殻を取り除く際は「籾摺り機」という機械を使用し、回転速度が違う2つのロールの間を籾が通り抜ける際の摩擦で籾殻を取り除きます。
その後、籾殻を取り除いた玄米を「米選機(ライスグレーダー)」にかけ異物や未熟米などを取り除き、計量して袋詰めを行います。この米選機には回転する網がついており、この網目のサイズによって仕上がる米粒大きさや厚さを調整することができます。選別が完了したら30kg毎に袋詰めして調整作業は完了です。
ツナギ流!美味しいお米の炊き方の動画をツナギyutubeチャンネルにてアップしています。
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