連載「お米ができるまで」第10弾は、等級検査と精米のお話。いよいよ完結編です。乾燥調整が終われば食卓に並ぶまであと一息。品質に問題がないか検査をして精米・出荷となります。今回は食卓に並ぶ直前の等級検査と精米についてご紹介いたします。
等級検査
30kgずつ袋詰めされた玄米は、基本的に「農産物検査」と呼ばれる検査を行います。この検査はお米の品質だけでなく、作られた年や品種などを証明するために必要なものであり、農産物検査法と呼ばれる法律に基づき全国統一の規格により行われます。
検査後はその証明として検査済みであるハンコと合わせ、等級(品位)を示すハンコが押されます。この等級は1等、2等、3等、規格外の4種に分かれており、下記の規格に即して判断されます。
水稲うるち玄米検査規格(一部抜粋)
最低限度 | 最高限度 | ||||
整粒(%) | 死米(%) | 着色粒(%) | 異種穀粒(%) | 異物(%) | |
1等 | 70 | 7 | 0.1 | 0.4 | 0.2 |
2等 | 60 | 10 | 0.3 | 0.8 | 0.4 |
3等 | 45 | 20 | 0.7 | 1.7 | 0.6 |
参考:https://www.maff.go.jp/j/seisan/syoryu/kensa/kome/k_kikaku/
これまでは穀刺と呼ばれるもので米袋の脇腹に穴をあけ、玄米を抽出、カルトンと呼ばれる皿に入れて1000粒中の整った粒は何%か、異物は何%かを目視で判断しておりましたが、近年では「電気式穀粒計兼電気式水分計及び穀粒判別器」を用いて計測されるようになってきました。一般的にはこの等級により価格が異なり、農家収入を大きく左右する大切なポイントになります。
精米
精米とは、ご存知の通り米粒の糠と胚芽を取り除く機械です。その精米方式には大きく2つに区分できます。
それぞれメリットデメリットがあり、規模や目指すべき仕上がりに合わせて精米機を選ぶことが大切です。
小・中規模の生産者が所有している場合は小型の摩擦精米機であることが多く、大規模な精米工場では組み合わせて「連座式」を取り入れている場合があり、研削精米と摩擦精米の特徴を活かし、2種類を組み合わせて精米をすることもあります。
摩擦精米
摩擦精米は、お米に圧力を加え、その時に発生する圧力によって精米する方式です。
多角形の金網と回転するロールにより構成され、送り込まれたお米がロールによって回転しながら進むことで、米粒同士に摩擦作用が生じ、糠や胚芽が取り除かれる仕組みになっています。
研削精米
研削精米は、金剛砂などの非常に硬い鉱物で回転するロールで米の糠を削り取ることによってい精米する方式です。
丸型の金網の中央に研削ロールが配置され、高速に回転する研削ロールにお米がぶつかった時の衝撃力と研削作用によって表面が削り取られる仕組みになっています。
精米ができたら梱包してお客様の元へ発送して一連の作業が全て完了。
そしてまた土づくりから、次の一年が始まっていきます。
10回に渡り「お米ができるまで」ご紹介してきましたが、日常に溶けんこんだ「お米」が食卓に並ぶまでの苦労はなかなか感じ取ることはできません。
見えないところに生産者の苦労や、磨いてきた技が隠れていることを意識し、産地の情景に想いを馳せながらお米を味わっていただくと、より一層お米を楽しむことができます。
ぜひ、産地直送のツナギのお米で、米作りの奥深さに触れてみてはいかがでしょうか。
ツナギ流!美味しいお米の炊き方の動画をツナギyutubeチャンネルにてアップしています。
ぜひ動画も参考にしてみてください。
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ツナギおすすめのお米
城下和彦さんの
京都府京丹後市産夢ごこち『特別栽培米』
艶やかな見た目と、もっちりとした粘りが特徴です。甘み・香りのバランスがよく、冷めてからも旨みが感じられます。京都最北端の地で海と森が育む「夢ごこち」特別栽培米。
谷口農場さんの
北海道旭川市産ゆめぴりか(特別栽培米)
大雪連峰の雪解け水により清冽で豊富な水に恵まれ、かつ盆地に囲まれた内陸型気候のため、昼夜の寒暖差が大きく、お米作りには大変適した環境でお米作りをしているのが谷口農場さんです。北海道で100年続くこだわり農家の安心・安全なお米をご賞味下さいませ。
青木さんの山形県南陽市産
ミルキークイーン(特別栽培米)
ミルキークイーンはもちもちとした食感で粘りが強く、冷めても美味しいお米です。水加減を通常より1割程度少なくして炊くと、その粘り・弾力・ツヤなどが特に際立ちます。過去に米食味分析鑑定コンクールの総合部門で金賞を受賞した農家が育む逸品です。