「玄米」を食べることは、良いことだけでなく、デメリットもあるのでしょうか?今回は、そんな気になるポイントを考察していきます!
玄米は消化に悪い?
精米されていない状態の玄米は、ぬか層に覆われています。その表面は防水性が高いため、白米と同じように炊くと硬い仕上がりになり、食べにくさの原因になります。
そのため、玄米の炊飯時は、しっかり浸水し、十分に給水させてから、柔らかく炊き上げる必要があります。炊飯にコツがいるのも、消化に悪いと言われる原因のひとつと考えられます。
また、玄米には、白米に比べて食物繊維が約6倍も多く含まれています。
食物繊維はそもそも、「人の消化酵素で消化されない食物中の難消化性成分の総体」と定義されている栄養素で、消化されるものではありません。
しかし、腸内環境を整えたり、コレステロール値を低下させるなど、身体にとってメリットが大きいので、第6の栄養素とも呼ばれ、積極的な摂取が勧められています。
胃腸の弱っている時などは、食物繊維を摂りすぎると、調子が悪くなることもあります。
また、玄米が消化に悪いと言われる大きな原因の一つは、「しっかり噛めていない」ことです。
現代人は、やわらかいものを早く食べることに慣れてしまっているため、よく噛まずに食べると、いわゆる消化不良になりやすく、せっかく豊富に含まれる栄養素も十分に吸収することができません。
消化に悪いと言われるデメリットは、柔らかく炊き上げること、しっかり噛むことで解決!
「玄米毒」って本当にあるの?食べても大丈夫?
玄米について、少し詳しく調べたことのある方は、「玄米には毒性がある」などといったワードをインターネットなどで目にして、不安に思われたことがあるかもしれません。
「玄米毒」の噂は、「フィチン酸」「アブシジン酸」「農薬」などが関係しているようです。こちらも考察していきます。
・フィチン酸
…米や小麦などの穀類や、豆類、種子類に含まれている。キレート効果という、金属イオンと強く結合する性質があることから、カルシウムや鉄分などのミネラルと結合して吸収を阻害し、ミネラル不足を招くのでは、と言われている。
→玄米のフィチン酸は、玄米中のミネラルと既に結合しているため、体内で他のミネラルに大きな影響を与えてミネラル不足にさせるということは考えにくいです。(ただし、玄米中のミネラルが、体内に吸収されにくいという面はあるかもしれません。)
また、フィチン酸には強い抗酸化作用があることから、抗がん作用や血栓予防など、プラスの健康効果にも期待が高まっており、近年様々な研究が進められています。
・アブシジン酸
…米に含まれる植物ホルモンの一種で、発芽抑制や、種子休眠の促進などの働きがある。高濃度のアブシジン酸を用いた実験で、培養細胞のミトコンドリアに機能障害が起きたという実験結果から、危険性を心配する声がある。
→こちらは、あくまで実験上の結果であり、そのアブシジン酸濃度は現実的に人体では再現されない高濃度であることや、食品安全委員会の報告でも、通常の摂取で人の健康を損なうおそれはないと発表されています。
また、アブシジン酸は玄米だけでなく、ナッツやゴマなどの種子類や、多くの穀物にも含まれており、知らず知らずに日常的に摂取しているものです。過度に心配する必要はなさそうですね。
参考:アブシジン酸 食品安全委員会
https://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/iken-kekka/kekka.data/pc1_no_abscisicacid_031006.pdf
・農薬
…お米の栽培で使われる農薬は、主に「殺虫剤」「殺菌剤」「除草剤」などがある。人体への影響は、神経系への影響、ガン、免疫力低下など、様々な悪影響が示唆されている。
→農薬については、ご存知の通り、様々な基準値などが設けられ、安全性を確認した上で使用されているため、農薬使用の食品を食べたからといって、すぐに影響を受けたり、敏感に心配し過ぎる必要はないとは思います。しかし、できるだけ摂取しないことが望ましいですね。
玄米毒と言われるデメリットは、できるだけ農薬の少ないお米や無農薬のお米を選べば安心!
玄米の場合は特に、精米しないので、ぬか層に残留農薬が多くなります。精米することで、約7割の農薬が取り除かれると言われていますので、その分が残ってしまうと考えると、玄米を食べる場合は、農薬をできるだけ減らした特別栽培米や、有機玄米を選ぶと安心です。
特に、赤ちゃんや子どもの場合、神経系が発達途中であり、影響も受けやすいと思われるので、玄米に限らず、安全なお米を選んであげたいところです。
また、毎日玄米を食べる方も、良い面も悪い面も、きっと日々の積み重ねで身体へ返ってきますので、少し割高に感じても、安心安全なお米を選ばれることをおすすめします。
おすすめしたい玄米
有機栽培の玄米
【玄米】野沢農産(高橋義三)さんの長野県野沢温泉村産 「体によし」(JAS有機・コシヒカリ)
農薬・化学肥料を一切使用せずに栽培しました。有機農法の集大成ともいえるお米が、体に良いお米「体によし」です。一度食べていただければ、食感や旨味の違いにご納得いただけると確信しております。ダイヤモンド褒章受賞農家さんの逸品。
購入はこちら
(玄米)粋き活き農場さんの秋田県大潟村産あきたこまち(有機栽培米)
除草剤などの農薬に頼らず、自然界の法則(循環)に逆らうことなく、健康な食生活を送ってほしいという思いで栽培された玄米です。
購入はこちら
【玄米】こなつ農園(小夏英昭)さんの熊本県熊本市産 朝日(有機栽培米)
自然豊かな里山に囲まれた美しい環境で、天然のシリカ成分を多く含む清らかな水を使い丁寧に育てました。朝日は粘りや甘味が少なくあっさりしたお米です。小菱刈や笹錦の祖先となる品種で、明治後期より栽培されています。
購入はこちら