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お米コラム・お米レシピ

【2023年秋のお彼岸】おはぎをお供えする理由と、発酵あんこのおはぎレシピ

             

秋の風がさらりと心地よく感じられる季節になり、まもなく秋のお彼岸です。
お彼岸ってそもそも何?なぜ秋のお彼岸には「ぼたもち」ではなく「おはぎ」をお供えするの?といった疑問から、炊飯器を使って手軽に作れる発酵あんこを使ったおはぎレシピ、おはぎの栄養まで、たっぷりご紹介します!

おはぎ秋のお彼岸

お彼岸とは。2023年秋のお彼岸はいつ?

お彼岸とは、春は春分の日、秋は秋分の日を中心に、その前後3日間を合わせた7日間を指します。
2023年秋分の日は9月23日土曜日、秋のお彼岸は9月20日~9月26日にあたります。
お彼岸は、お墓参りに行ったり、仏壇へお供えものをし、ご先祖さまの供養をする伝統的な行事です。
「暑さ寒さも彼岸まで」といわれますが、秋のお彼岸を過ぎた頃には、夏の暑さがずいぶんと和らいで、過ごしやすく気持ちの良い気候になります。

秋のお彼岸に「おはぎ」をお供えする理由

秋のお彼岸のお供え物の定番といえば、「おはぎ」です。

おはぎをお供えする理由は諸説ありますが、
おはぎは粒あんをまとっていて、小豆が表面にぽこぽこと浮き出るその様子が、秋のお彼岸の頃に咲く萩(はぎ)の花が咲く様子に似ていることから、おはぎを供えるようになったといわれています。

また、邪気を払う小豆を使ったおはぎをお供えすることで、家族の安全を願うという意味合いも込められているようです。

おはぎに使われている小豆は、古くから邪気を払う力がある食材とされてきました。
小豆の赤い色は魔除けの色とされていますし、「あずき」の「あずく」という言葉は、古語で「追い払う」や「除く」といった意味があり、邪気を追い払う力があるという風に考えられています。

「おはぎ」と「ぼたもち」の違い

「おはぎ」と「ぼたもち」って、呼び方の違いだけで、結局同じものなの…?という疑問を持たれている方も多いと思いますので解説します。

まず、基本的な材料は同じで、もち米とあんこを使用します。
材料が同じなので、使い分けが明確ではなく、同じものとして扱われている場合も多いようですが、その由来や季節性には違いがあります。

「おはぎ」
萩(はぎ)の花に似ていることから「おはぎ」と名付けられた。主にあんこは粒あん。秋ごろの小豆は収穫したてで皮がやわらかく、粒あんに適していたことも関係している。形は萩の花のように細長い俵型。
萩は秋に咲く花なので、秋のお彼岸には「おはぎ」をお供えする。

「ぼたもち」
牡丹(ぼたん)の花に似ていることから「ぼたもち」と名付けられた。主にあんこはこしあん。春頃のあずきは皮が固くなっていたことから、粒あんではなくこしあんにしたという説も。形は牡丹の花のように丸くて大きめ。
牡丹は春に咲く花なので、春のお彼岸には「ぼたもち」をお供えする。

 
あんこのイメージ

炊飯器で作る!簡単発酵あんこのおはぎレシピ

「発酵あんこ」をご存知でしょうか?
通常のあんこは、小豆にお砂糖をたっぷり加えて作るのですが、発酵あんこはなんと、砂糖不使用でヘルシー!
小豆と米麹だけで作れて、自然なやさしい甘みがほっとする味わいです。少し時間はかかりますが、炊飯器にお任せすれば、ほとんどほったらかしなので、意外と簡単に作れてしまいますよ♪
1,発酵あんこ
2,発酵あんこを使ったおはぎの順に、作り方をご紹介します。

炊飯器で作る発酵あんこ

調理時間:約20分(炊飯・保温の時間を除く)

材料(作りやすい分量)

小豆(乾燥)
200g
米麹
200g
水(炊飯用)
800ml
水(調整用)
適量
小さじ1/4

作り方

❶ 小豆はさっと水洗いし、汚れを落とす。ザルにあげて水気をきり、炊飯器の内釜へ入れる。

❷ 水800mlを加え、通常に炊飯する。炊きあがったら、小豆が柔らかく、芯が残っていないか指でつぶして確認する。
※小豆が固い場合は、もう一度炊飯してください。玄米モードがある炊飯器は、玄米モードで炊くとより柔らかく炊けます。

❸ 一度電源を切り、蓋をあけたまま5~10分冷まし、50~60℃まで温度を下げる。米麹が乾燥タイプの場合は清潔な手でほぐしておく。※麹菌の酵素は70℃を超えると失活する(働きが止まる)ため、しっかり冷ましてから米麹を加えるようにしてください。

❹ 米麹を加えて混ぜ、水分が足りないようであれば適宜水を足して調整する。

❺ 濡れぶきんをかぶせ、炊飯器の蓋を開けたまま保温モードにする。2~3時間ごとに混ぜながら、8~10時間保温する。塩を加えて味をととのえ、完成。

 

発酵あんこは、米麹のアミラーゼという酵素が、小豆のでんぷんを分解して糖に変わることを利用して、甘みを引き出しています。そのため、米麹の酵素が活かせるよう、小豆が炊きあがった後、きちんと60℃以下の温度まで下げることがコツですよ!また、小豆をゆでこぼさないので、ポリフェノールや水溶性の栄養素も無駄なく摂ることができます♪

 

もち米も炊飯器調理!発酵あんこのおはぎ

調理時間:約20分(浸水・炊飯時間を除く)

材料(8個分)

もち米
1合
水(浸水用)
適量
水(炊飯用)
800ml
水(炊飯用)
180ml
発酵あんこ
400~500g

作り方

❶ もち米は洗ってボウルに入れ、かぶるくらいの水を加えて1時間浸水させる。

❷ ザルにあげて水気をきり、炊飯器に入れる。水180mlを加え、普通に炊飯する。炊きあがったらボウルなどに移して粗熱をとる。※そのままでも十分もっちりしていますが、更にもちもち食感がお好みの場合は、すりこぎなどでもち米を少しつぶしても◎

❸ 8等分して俵型に成形し、発酵あんこで包む。
※おはぎの下側はもち米が見えている状態でもOKです。

 

もち米の持つ素材の甘みと、発酵あんこのやさしい甘さがマッチした、素朴なおいしさです。
お砂糖たっぷりの市販のおはぎに比べると、一口目のインパクトは控えめですが、噛めば噛むほど広がる素材のおいしさが味わえますよ♪

 

おはぎの栄養価は?小豆は日本のスーパーフード

おはぎは、もち米の炭水化物に加え、小豆のたんぱく質や食物繊維、ビタミン、ミネラルを一緒に摂取できます。脂質が少ないのも和菓子の特徴ですね。

おはぎに使用する一般的なあんこは、砂糖を多く使用しているため、糖分の取りすぎに注意が必要ですが、発酵あんこの場合は砂糖不使用。さらに、発酵させることで消化されやすい状態になり、善玉菌もたっぷり摂れるので、腸活や健康増進の視点でもとってもおすすめのおやつです。

小豆は“日本のスーパーフード”とも呼ばれていますが、食物繊維やビタミンB群、ミネラル、ポリフェノールが豊富です。水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランスよく含み、腸内環境を整えたり、血糖値の上昇を抑えてくれる効果があります。

小豆の赤色は、アントシアニンというポリフェノールの色ですが、アントシアニンは強力な抗酸化作用があり、細胞のダメージを防いだり、炎症を抑える効果があるといわれています。アンチエイジングも期待できて栄養豊富、まさにスーパーフードですね!

 

もち米と小豆の栄養成分

可食部100g当たり もち米[精白米 水稲めし] あずき[全粒 ゆで]
エネルギー 188 kcal 124 kcal
たんぱく質 3.1g 7.4g
脂質 0.4g 0.3g
炭水化物 41.5g 18.3g
食物繊維 0.4g 8.7g
カリウム 28mg 430mg
カルシウム 2mg 27mg
マグネシウム 5mg 43mg
0.1mg 1.6mg
亜鉛 0.8mg 0.9mg
ビタミンB1 0.03mg 0.15mg
ビタミンB2 0.01mg 0.04mg
ビタミンB6 0.02mg 0.11mg
葉酸 4μg 23μg

出典:文部科学省/日本食品標準成分表2020年版(八訂)
※水稲めしとは、炊きあがった状態のお米のことです。

日本の伝統行事を楽しむ

お彼岸は、ご先祖さまを偲ぶ、日本人にとって大切な時期です。
ハロウィンやボジョレー・ヌーヴォー解禁など、秋のイベントにも海外の文化が根付いてきていますが、日本人として、伝統的な行事は知り伝えていきたいですよね。ぜひ今年のお彼岸は、おはぎを手作りして、家族の絆を深めながら日本の伝統を守り、その文化を伝えるきっかけにしてみてくださいね。

関連記事→春分の日🌸ぼた餅の作り方もご紹介♪ ぼた餅とおはぎの違いって?

オススメのもち米

作ぜん農園(齋藤明)さんの山形県酒田市産でわのもち(もち米・自然栽培米)

作ぜん農園(齋藤明)さんの
山形県酒田市産でわのもち(もち米・自然栽培米)

古くは藩主に献上されていたセレブなお餅を作るためのもち米でした。栽培が難しく、今では、まぼろしのもち米となりつつあります。きめが細かく、味に深みがあり、おもちの伸びが抜群に良い、無肥料、無農薬、自然栽培で栽培された「でわのもち」

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まつえんどんさんの新潟県南魚沼市産「こがねもち」

まつえんどんさんの
新潟県南魚沼市産「こがねもち」

誰もが知る有数の米どころ南魚沼で、元料理人の若手夫婦が丹精込めて作ったこがねもちです。南魚沼の米作りの伝統を継承しながら、南魚沼の味と文化を伝えます。

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編集者プロフィール

矢田 規子 / 管理栄養士

管理栄養士/フードコーディネーター/フードスタイリスト 大学時代より栄養について学び、管理栄養士国家資格を取得。デパ地下で野菜を中心とした惣菜店を展開する企業を経て、フードコーディネーターのアシスタントを務め、料理撮影やTV・動画のフードコーディネート、料理講師など幅広く経験を積んだ後、独立。 栄養学の知識を活かしたメニュー開発や、料理撮影、スタイリングなどを行う。 二児の母で、離乳食や幼児食の大切さを日々実感中。 食の楽しみを第一に、日々の少しの工夫で健康も目指せることを大切にしている。

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