夢千考房(岡田光夫)
夢千考房(岡田光夫)岡山県加賀郡
昔ながらの原風景 棚田と山からの清らかな水
夢千考房さんの田んぼがあるのは岡山県吉備中央町尾原、千守地区にあります。標高450mほどの中山間地には昔ながらの棚田が広がり、太平山からの清らかな水が豊富に流れ、夏場でも夕方にはグッと気温が下がり夜間にしっかりとお米に旨味が蓄えられる素晴らしい環境が整っています。昔から稲作が盛んな地域であり、江戸時代には町内に500台以上もの水車があり、水車の動力で精米が行われていたといいます。代表の岡田さんは生まれ育ったこの地が、帰省の度に荒れていく姿に耐えられずサラリーマンを早期退職し、小さい頃の風景を取り戻すため日々奮闘しています。
水車精米で仕上げる丁寧な米作り
岡田さんが特にこだわるのは土づくり。竹の粉や籾殻燻炭など地域の資源を活用し、じっくりと土を耕しながら毎年試行錯誤を繰り返ししています。また、苗づくりから乾燥作業まで一つ一つの作業を丁寧に時間をかけ、旨味のある米作りを続けています。その味わいをさらに深めるのが「水車精米」です。数年前に唯一残っていた水車が復活した景色を見て岡田さんは涙が止まらなかったといいます。水車の動力を使った精米は1回に10時間もの時間がかかるため、大量生産はできませんが、ゆっくりと自然の力で精米したお米は栄養価がしっかりと残り、味わい深いお米に仕上がります。
夢は無限、千守を守り繋げていくために
自然豊かで災害の少ない吉備中央町でも、気候は毎年変わり、コンディションが常に違う環境で米作りを追求するのが楽しくてたまらないといいます。1年に1回しか作れない米作りを「苦労」と感じたことは無く、水車が復活した時に食べたお米の味が原動力になっているといいます。自然の素晴らしさを発信し、喜びと感動を与え続けることを目標に、魅力あるこの地を「米づくり」という手段で、盛り上げていきたいと話してくれました。屋号の「夢千考房」には、夢は無限、千守を守り繋げていくために徹底的に考え続けるとの想いが込められています。