まつえんどん
まつえんどん新潟県南魚沼市
ひたむきな眼差し
宮城県七ヶ宿町で開催された第15回米・食味分析鑑定コンクール。この会場で、昨年から米作りを始めたという若夫婦に出会った。
日本全国各地から集まった米作りの一流のプロ達から少しでも多くのことを学んで吸収したい…新潟県南魚沼市から来た三輪弘和さんと妻・弥生さんのご夫婦だ。
就職、結婚…そして郷里・南魚沼へ
誰しもが知る米どころ・南魚沼で、ふたりが米作りを始めたのは2012年のこと。南魚沼で育った弘和さんは二十歳で金沢に渡り、料理人となった。そこで同じく料理人であった弥生さんと出会い、結ばれた。そして、15年ぶりに郷里・南魚沼に戻ったのだ。
三輪さんの先祖がここ南魚沼で米作りを始めたのは明治時代だという。近隣農家の信頼を得た父・正雄さんは少しずつ作付面積を増やし、今では作業受託分含めて約19町歩の稲作を営むに至った。八海山・巻機山といった名峰、豪雪がもたらす清らかな水を運ぶ魚野川・・・妻の弥生さんもこの豊かな自然に魅了された。こうして、ふたりは弘和さんの郷里・南魚沼での就農を決意したのだ。
農業×料理人、だから出来ること
ベテラン農家である父・正雄さんと優しい母・千鶴子さんに見守られて、若夫婦の米作りはまだ始まったばかり。試行錯誤の連続だが、「元料理人だからこそ、出来ることがあると思います。」と話す若夫婦からエネルギーがひしひしと伝わってくる。
単にお米を売るだけではなく、お米に合ったおかずやレシピを提案する、お弁当やお惣菜を販売する・・・少しずつフィールドを広げている。
また、若手の有力農業者と食に携わる人々から構成されるチーム「魚沼楽市楽座」にも参画し、南魚沼市内だけでなく県外にもイベントを展開。徐々にチーム内でも存在感を発揮している。
南魚沼でも農業従事者の高齢化は着実に進んでいるが、豊かな自然と伝統、そこに新たな若い力が加わって、南魚沼の米作りの歴史が次世代へとつながっていく。