飯見夢むら棚田の会(岡田初雄)
飯見夢むら棚田の会(岡田初雄)兵庫県宍粟市
1300年前から続く棚田の米作り
飯見夢むら棚田の会さんの田んぼがあるのは、兵庫県宍粟市波賀町飯見地区。1300年前から米作りが行われていたとい歴史ある地域で、山の斜面に沿って並ぶ棚田は圧巻の光景です。山深く手付かずの自然が残っており、キジや鹿、猪なども姿を見せる地域で、まさに秘境。肥料もちの良い粘土質の土壌に、山からの清らかな雪解け水が流れ込む美しい地域に173枚の棚田があります。小さな田んぼも多く、苦労が絶えませんが、この美しい景観と美味しいお米を守っていくため、44軒の農家が協力しながら米作りを続けています。
自然が作る豊かな土
代表の岡田さんが特に力を入れているのは、土づくりです。化学肥料は一切使用せず、堆肥や落ち葉など自然のものをベースに、毎年時間をかけて稲が健康に育つ土に仕上げています。また、持続的な農業を続けていくため環境や安全面にもしっかりと配慮し、兵庫県より「ひょうご安心ブランド」に認証されております。棚田のため大型の機械は入れず、何倍も労力がかかりますが、西日が早く山蔭に隠れ、夜温が下がるため昼間に貯めたお日様の恵をしっかりと蓄えられるという地の利もあります。
目指すのは、幸せな気持ちになれるお米
毎年が1年生、日々勉強と語る岡田さんは、食べた時にほっこり、幸せな気持ちになるようなお米を作りたいと言います。そのために安心してお米を食べられるよう手間を惜しむことはありません。全国的に後継者不足から耕作放棄地が増えていますが、代々受け継いできたこの地域の田んぼ守っていくために、決して放棄地は作らないと強い信念を持っています。これからは担い手が農業を継いでいくための土台作りにも力を入れ、郷土愛を育んでいきたいと話してくれました。