渡部浩見
渡部浩見秋田県湯沢市
農地だけでなく生き物や環境を守る米作り
渡部さんの田んぼがあるのは、秋田県湯沢市。栗駒山系からの清らかな雪解け水が豊富に流れこむ地域です。豪雪地帯であり、四季がはっきりしている湯沢市は、自然豊かで、お盆を過ぎる頃には昼夜の寒暖差が非常に大きく、美味しいお米ができる条件が揃っています。米作りを始めて40年を超える渡部さんは、、農地だけでなく生き物や環境を守っていくことを強く意識しており、毎年子どもたちを招いて生き物調査をするなど食育にも力を入れています。
美味しさの秘訣は漢方農法
子どもから大人までみんなに安全なお米を届けたいという思いから、日々試行錯誤を繰り返し、現在では9割ほど農薬の使用量を減らした栽培手法を確立させたといいます。特にこだわっている「土づくり」は魚系の資材をベースに米糠や有機質肥料を独自に配合し、自然の力を生かした土づくりを心がけています。また、10年ほど前から「漢方」を活用した漢方農法に積極的に取り組み、病気に強く、大粒で味わい深い米作りを続けています。
3度の金賞受賞は手抜きしない愚直な米作りの成果
量ではなく質を追求し、飽きのこない甘みのあるお米を目指している渡部さんは、12haを超える田んぼを、ほぼ一人で管理していると言います。手を抜くことなく、毎日田んぼを見て周り、葉の色や張りなどの細かいチェックを欠かすことはありません。そんな渡部さんは、これまで努力が実り、食味分析鑑定コンクール都道府県代表 お米選手権において3度、金賞に輝いています。先人が築いたこの地で米作りができることに感謝しながら、この仕事についた若い時の気持ちを忘れず、これからも努力を続けていきたいと話してくれました。