出羽弥兵衛(板垣弘志)
出羽弥兵衛(板垣弘志)山形県鶴岡市
ブナの原生林が育む清らかな水
出羽弥兵衛さんの田んぼがあるのは、山形県鶴岡市羽黒町。ブナの原生林に囲まれた朝日連峰の大鳥池からミネラル豊富な水が流れる恵まれた地域です。創業は文政十年。代表の板垣さんは15代続く農家に生まれ、18歳から米作りを続いけています。小さい頃から稲の生長過程を見たり、真っ赤な夕焼けに黄金色の稲穂がなびく景色を見て育ち、瑞穂の国「日本」の農業を守り繋げていくため、米作りを志たといいます。
深呼吸できる米作り
24haを超える広大な田んぼで、つや姫・ササニシキ・雪若丸を中心に米作りをする板垣さんは、かつて農薬の影響で体調を崩した経験があり、人間と自然の健康を強く意識するようになり20年前から有機農業をスタートさせたといいます。肥料にも強いこだわりを持ち、自家製の「ぼかし肥料」や米糠をベースに、なるべく自然のものを中心に土づくりをしています。また、細かな水管理や刈取りのタイミングなどは自分独自のメソッドで最適を見極めていると話してくれました。
有機の輪を広げる強い意志
有機栽培はやはり草との戦いであり、いかに共生・共存していくかが鍵になるといいます。有機を始めた当初は、苦労が絶えなかったといいますが、有名なお米コンテストでも受賞を繰り返し、その品質はお墨付きの逸品。癖のない透明感のある甘さと程よい弾力を兼ね備えたお米を目指す板垣さんは、これから本気で有機農業を志す若者を育て、健全な経営を後押しするとともに、有機の輪をどんどん広げていきたいと笑顔で語ってくれました。