曽我康弘(源丸屋ファーム / まん丸屋)
源丸屋ファーム岐阜県下呂市
頬張ると思わず笑顔に。
大きな米粒の「いのちの壱」
岐阜県下呂市。総面積の約9割が山林であり、下呂温泉をはじめとして多くの温泉が湧き出る。豊かな景観と自然を求めて沢山の観光客で賑わうこの下呂市で、2000年9月、貴重なお米が奇跡的に発見された。それが「いのちの壱」だ。
とにかく、粒が大きい。コシヒカリの約1.5倍もある。頬張った瞬間、これまでにない食感が味わえる。「おいしい!」と思わず笑顔になる。
歯ごたえだけでなく、甘みと粘りが強いのが特徴で、数々のお米のコンクールにて受賞歴を持つ。「全国・食味分析鑑定コンクール」にて、4年連続金賞。「米-1グランプリINらんこし」にて、グランプリ。「あなたが選ぶ日本一おいしいお米コンテスト」にて、3年連続最優秀賞。現在、市場には殆ど出回らない貴重なお米だが、実際にお米を食べ比べるコンクールで年齢や地域の異なるさまざまな人々を魅了し、注目が高まっている。
環境にも人にも優しい米づくり
「いのちの壱」は、北アルプスの雪解け水、高原川を水源とする標高630mの高冷地で栽培。美味しいお米が収穫できるといわれる、昼夜の寒暖の差が激しい栽培環境にある。生産・卸を手がける源丸屋ファームでは、徹底的に安全にこだわっている。元肥料には100%有機肥料を使用。持続性がある有機肥料は、使い続けることによって年々良好な土壌となっていく。
また、農薬使用量を通常農法の1/3~1/4程度に抑えているため、毎年行っている残留農薬検査では、全項目において農薬成分を検出されていない。手間と労力は増えるが、その分環境にも食べる人にも優しいお米ができる。
収穫したお米は、もみの状態のまま低温保存し、配送の直前に精米し袋詰めする。新鮮なお米を食卓へ届けるための、源丸屋ファームのこだわりだ。
もっと沢山の「おいしい!」を届けたい
源丸屋ファームでは、原流域で農業を営む者として環境を汚さないよう、自然環境を守り続けるための努力を惜しまない。ドジョウ、タニシ、昆虫たちと共存できる栽培環境を維持している。
「いのちの壱」は、低農薬と有機肥料に徹底してこだわっているため、生産できる農家が少ない。「いのちの壱」を大切に栽培する契約農家の労力を少しでも削減したいと、源丸屋ファームの研究は続いている。その上で、「栽培方法、肥料を同一になるよう徹底し、品質と食味を向上させたい。目指すはプロの農家集団」と語る代表の曽我康弘さん。
専門家も唸る美味しさの「いのちの壱」は、農村環境のより良い改善と工夫でさらに美味しさを増し、これまで以上に沢山の人に「おいしい!」の笑顔をもたらす。