岩井清(ファームランドやまろく)
岩井清(ファームランドやまろく)福島県福島市
家族や消費者に安全で美味しい米を食べさせたい
肥沃な土壌に恵まれ、昔から美味しいお米が採れる産地として評価が高い福島市松川町。この土地で有機・無農薬栽培にこだわった米作りをしているのが岩井清さんだ。
岩井さんが農薬に頼らない米作りを考えるようになったのは、妻のハツさんの病がきっかけだ。ハツさんの病気に向き合ううちに、もしかすると米栽培で使っていた農薬が原因の1つなのではないかと考えるようになったという。
「健康な身体をつくるには、やはり食べものから改めるしかない」と痛感した岩井さん。地元の「やまろく有機農法研究会」のメンバーと共に研究を重ねながら、美味しく安全な米作りに力を注いできた。
田の草取りは手作業で
まだ消費者の注目を浴びる前から、有機・無農薬栽培に取り組んできた「やまろく有機農法研究会」。主に肥料として使用しているのは、「モンモリロナイト」という自然粘土の鉱物である。これを使用することにより土壌は改良され、稲も非常に強くなるという。ひどい冷害や害虫の発生に見舞われた年も、有機栽培の田んぼだけは被害がほとんどなく、生産量も落ちることがなかったそうだ。
また岩井さんは農薬を使用しないため、田の草取りをチェーン除草、田車、手取り除草の組み合わせでやっている。さすがに全てを手作業で行うのは無理があるが、年に1度は必ず手作業で草を取るようにしているという。
「米作りへの愛情が強すぎて、どうしても手で草取りをしないと気が済まないんです」と岩井さんは笑う。
一日一日研究を重ねながら、米作りの可能性を追求し続ける
なるべく労力のかからない無農薬米の栽培方法を実現すべく、日々研究を重ねている岩井さん。ここ十年程は、米糠と天然ミネラルを使用した新たな米作りの試みを行っている。
「米作りは1年に1回しかできず、やり直しがききません。天候や色々な具合で年ごとに出来も異なります。難しいですが、だからこそ自分の努力が結果となって表れた時は、例えようがないほどうれしいものです」(岩井さん)。
「とにかく美味しくて安全なお米を提供したい」、「安心安全な米作りを次世代に引き継ぎたい」。そんな思いが新しい米作りに挑戦する原動力となっている。