田和楽(鎌田博喜)
田和楽(鎌田博喜)山形県鶴岡市
東北一きれいな水と寒暖差が育む庄内米
田和楽(たわら)さんの田んぼは山形県鶴岡市小中島、藤島地区にあります。米どころ庄内平野のほぼ中央に位置し、出羽富士「鳥海山」や「月山」が一望でき、日本三大急流の一つ「最上川」が流れる風光明媚な地域です。
田んぼにかけ入れる水は東北一きれいな川と言われる赤川の清らかで冷たい水を利用しています。さらに、朝晩の寒暖差が大きく、栽培期間の日照時間が長いため、良質な米作りに適した気候が整っています。
田和楽さんではお米だけでなく、昔ながらの製法で米俵を作り続けており、各地の神社仏閣に納めていると話してくれました。
健康な稲を育てればお米も美味しくなる
田和楽さんが特に大切にしていることは健康な稲を育てること。
作物を育む土を育てるために、堆肥や有機質肥料と化学肥料の長所を組み合わせ、過剰な肥料を与えないことで稲本来の生命力を最大限に引き出します。
苗作りでは、苗の上から重さのあるローラーをかけることで刺激を与え、根張りのよい茎が太くてずんぐりした苗を作ります。さらに、それぞれの品種にあった適正な植え付けを行い、太陽光をたっぷりと浴びて丈夫に育つことで、必要最低限の肥料で栽培することを実現しています。
兄弟3人で守る庄内平野の稲作文化
江戸時代から代々受け継ぎ、現在は13代目。
稲作に適した藤島地区でも、担い手不足が進んでおり、増え続ける農地に対して人手が足りずに忙しい中でも、農作業で嫌いなことはなく楽しいと田和楽さんは言います。
担い手減少によって新嘗祭や米俵づくりなど稲作文化が失われていくことがないように、庄内の農地を効率よく守っていくことと美味しさへの探究心のバランスが大事だと話してくれました。
地域を守る田和楽さんの3兄弟は日々奮闘し続けています。