ファームフレッシュヤマザキ(山嵜哲矢)
ファームフレッシュヤマザキ(山嵜哲矢)新潟県三条市
尊い自然に感謝しながらの米づくり
山嵜さんの圃場は新潟県のほぼ中央に位置する三条市栄地区にあります。中越地方を流れる信濃川水系の一級河川、刈谷田川から山までのエリアの川手、弥彦山から吹く撫でるような優しい風がずっと流れている圃場では、風が虫や病気も流してくれるため、農薬を使用しない米作りを基本としています。夏は暑くて、冬は寒い、はっきりした四季、適度な降雪が田んぼの水となり、土壌も肥沃でまさに理想的な土地なのだそうです。特別栽培米のほか、マガモを利用した有機栽培米や酒米など、作り方も品種も様々です。
父に学びながら14年、着実に身につけた審美眼
山嵜さんのこだわりは、極力余計なことをしないということ。必要な時にだけ、必要なものを適切な量で。稲の様子は、特に葉の巻き具合をみながら、こまめな水管理を行います。収穫期は稲の様子をみて、できる限りギリギリまで登熟させることを意識しています。有機や酒米など、様々なお米を作ることで知識が豊富になり、とくに乾燥方法は酒米での知識を応用してゆっくりじっくり行うそうです。やはり、褒められると嬉しいので、しっかりと良いものを作ると顔をほころばせる山嵜さん。
プロが認める美味い米とポジティブなビジョン
山嵜さんのコシヒカリは、東京都内の米穀小売商業組合が実施する「東京米スターセレクションKIWAMI米コンテスト」で、2021年の最高金賞に選出された優秀なお米で、誰に薦めても美味しいと言われるお米と評価を受けています。山嵜さんは、有機栽培では圧倒的に香りの良いお米を目指していると話します。お米の生きる力が香りに現れるのだそうです。一方で、栄地区でも例外なく担い手不足が顕在化しており、今後はお米だけでない複合的な農業のモデルとなる取り組みもやっていきたいと意欲的で、これからも目が離せません。