阿部文吉
阿部文吉新潟県燕市
地元越後で60歳から始めた米づくり
コシヒカリ農場阿部文吉さんは、新潟県のほぼ中央に位置する燕市にあります。燕市は金属加工で有名ですが、実は総面積の約半分は農地です。かつては鳥やねずみですら見向きもしない「鳥またぎ・ねずみまたぎ」と言われた地域でしたが、コシヒカリの登場や度々の信濃川の氾濫を防ぐ分水路の建設、越後平野の気候と風土により、美味しいお米が作られるようになりました。阿部さんは60歳から米づくりを始め、おかずのいらないコシヒカリとしてお客様から好評だそうです。
うま味引き出す独自配合の発酵肥料
阿部さんは、サラリーマン時代、添加物や農薬を極力使わない食品を扱う仕事をしていた経験から、安全性だけでなく美味しさもとても大切だと考えています。周りの農家よりも遅く米づくりを始めた分、1年で10パターンほどの栽培研究を実践。カツオ、海藻、魚のアラ、蟹殻、海老殻などを試し、うま味を引き出す独自配合の発酵肥料によって、ほんのり甘くもっちり、大粒のお米を作れるようになったといいます。
おかずがいらないほどうまい米を作る
阿部さんの米づくりのテーマは「うまい米はどうやったら作れるのか」毎年、様々なパターンの米づくりを実践しながら、どれがベストかを追求していく作業は本当に大変だけれど、充実した美味しいお米を作るためには大事なことです。圃場や気候、品種、稲の様子によって、細かな調整をしていくこと、よく観察をして手間隙をかけることで、おかずがいらないほどのうまい米をこれからも作っていきたいと話してくれました。