権右衛門(須田貴志)
権右衛門(須田貴志) 秋田県にかほ市
名水100選の清流を贅沢に使う田んぼ
権右衛門さんの田んぼがあるのは、秋田県にかほ市象潟町。標高2,236mを誇る鳥海山の麓、清流「元滝」の伏流水を贅沢にも田んぼに引き、米作りをしています。地区内には名水100選に選ばれているところが2ヶ所あり、海からミネラルを含んだ潮風、昼夜の寒暖差など素晴らしい環境が整っています。代表の須田さんは、父の代から続く農薬を使わない声作りの意志を受け継ぎ、30haを超える田んぼで、あきたこまちやササニシキ、サキホコレなどを栽培しています。
美味しいお米を逆算して作る
須田さんが目指すのは、一口目から美味しいと思ってもらえるお米。思わずおかわりしてしまうようなお米を目指し、逆算して米作りに落とし込むことを意識していると言います。土づくりは昆布や糖蜜、ミネラルを独自に研究しながらじっくりと豊かに仕上げ、稲姿を見ながら適切に管理し、極力農薬に頼らない米作りを目指しています。特に苗づくりには力を入れており、過酷な条件でもしっかりと育つよう試行錯誤を繰り返していると話してくれました。また、田んぼごとに特徴が異なるため、田んぼごとにロット分けをして乾燥・調整まで細かく管理し品質をコントロールしていると言います。
地域を守る米作りを次の世代へ
権右衛門さんが管理する田んぼは現時点で400枚を超え、水管理をするだけでも一苦労です。この地域でも高齢化からリタイアする方が増え、田んぼを任されることが多くなってきていると言います。どんなに大変でも断ったらそこで終わり。一度放棄地になってしまえば田んぼに戻すことは難しく、この美しい景観が崩れてしまうため、覚悟を決め引き受けています。須田さんの目標は、若い人にも農家になってもらい、ベテラン農家とバランスよく地域農業を回せるような環境を作っていくことだと話してくれました。