富永農産(富永暁)
富永農産(富永暁)新潟県上越市
著名な酒蔵も認める水質の良さ
富永農産さんの田んぼがあるのは新潟県上越市三和区。新潟でも随一の豪雪地帯であり、家の1階部分が雪で埋まってしまうこともあるほどの積雪があります。清らなか雪解け水は非常に豊富であり、すぐ近くに有名な酒蔵である「雪中梅」があり、水の美しさはお墨付き。四季がはっきりした気候、粘土質の土壌が相まって、味の良いお米が取れる産地です。 代表の富永さんは40歳まで東京の飲食店で腕を振るっていた異色の経歴を持ち、食に携わるうちに自分でも作ってみたいと思うようになり、代々続いてきた家業の米作りを継ぐことに決めたと言います。
料理人ならではの美味しさを追求する姿勢
富永さんが大切にしていることは、安全安心で美味しいお米を作ること。言葉は簡単ですが、実行することは並大抵ではありません。どれだけ丁寧に作っても天候でダメになってしまうこともありますが、それも自然の作物だからこであり、そのストーリーもお客様に知ってもらいたいと話します。農薬や化学肥料を一切使わない有機栽培の圃場には、アイガモを放し、元気よく働いてもらうことで雑草の対策をしています。富永さんは土づくりにも強いこだわりを持ち、米糠を活用した自家製のぼかし肥料や、イタリアンライグラスなど、なるべく自然のもので豊かな土を作ることを心がけています。
効率化と逆行してでも、質を追い求める信念
18haを超える圃場でコシヒカリや新之助などを栽培する富永さんは、やはり雑草の対策が一番苦労すると言います。それでも除草剤に頼らないのは食べていただけるお客様を思ってのこと。また、地域の美しい環境を守るためにもこの視点は非常に重要であり、どれか一つでも欠けてしまえば、この米作りは成り立たないと言います。効率化と逆行してでも、量より質を意識し、丁寧に作ることで1年間、家族が暮らしていければいいと話す富永さんは、昔ながらの糠がまを使い、キッチンカーでおむすび屋さんをすることが夢だと語ってくれました。