チャントセヤファーム(小山有美恵)
チャントセヤファーム(小山有美恵)京都府宮津市
心地良い海風と豊かな自然
チャントセヤファームさんの田んぼがあるのは、京都府宮津市上世屋。美しい山林に囲まれた山道を進んでいくと11軒24名の小さな集落が広がっています。小さな集落ではありますが、クリエイターや醸造家などさまざまな業種の方々が移住してきており、限界集落を超えた「新しい村」になっている特異な地域。標高は330〜500mほどの中山間地で、夏は気持ちの良い海風が吹き、夕方には早く陰るため夜温が低く、夏でも羽毛布団が必要だといいます。その涼しさのおかげで、農薬を使わずとも病害虫の被害はほとんどなく、昔から自然に近い米作りが行われてきました。
農薬・化学肥料を使わない昔ながらの農法
お話を伺った小山さんも移住者の一人。美しい自然に囲まれた田舎暮らしに興味があり、縁あって世屋に移住してきたといいます。米作りにおいて大切にしていることは「ちゃんと世屋らしい米作り」をしていくこと。これが屋号の「チャントセヤファーム」の名前の由来だと話してくれました。村の先輩農家が先生であり、その技術をしっかりと受け継ぎ、この村らしい米作りをしていく。チャントセヤファームさんでは2haほどの圃場でコシヒカリや亀の尾、日本晴などを生産しており、昔から当たり前だった農薬や化学肥料を一切使わない米作りをしています。
稲木干しでじっくり乾燥
昔ながらの棚田は面積が非常に小さく、大きな機械は入ることができません。8割以上は田植えも稲刈りも手押しの小さな機械で行うため、手間も時間もかかりますが、条件の良い場所で効率的に米作りがしたいわけではないと話す小山さん。この場所で、この地にあった米作りをすることに意味があるのだと話してくれました。手間暇かけて育てた稲は、竹を横に9段組み上げた稲木でじっくりと乾燥させる昔ながらのスタイル。これからも試行錯誤を繰り返し、お米の味や品質を安定させ、美味しいと喜んでいただけるようなお米を作っていきたいと話してくれました。