株式会社入広瀬(佐藤 貞)
株式会社入広瀬(佐藤 貞)新潟県魚沼市

混じりっ気のない清らかな雪解け水
入広瀬さんの田んぼがあるのは、新潟県魚沼市穴沢の旧入広瀬村。守門岳など雄大な山々に囲まれた自然豊かな地域であり、標高は300〜400mほどもあります。この地域よりも上流には民家も工場もなく、清らかな雪解け水に生活排水・工場排水が混ざることはありません。標高が高いため寒暖差が特に大きく、暑くなる夏でも日が落ちると15度ほど下がり、お米にしっかりと旨味が蓄えられる地域です。代表の佐藤さんは、地域農業を支えるためUターンし、少しずつ面積を広げながら、豊かな自然環境を活かし味わい深い米作りを続けています。

基本に忠実に、田んぼに合わせた丁寧な管理
佐藤さんが一番大切にしていることは、食味を上げること。まだまだ答えは出ませんが、基本に忠実に作業することを心がけ、播種量や肥料設計、乾燥調整まで手を抜かず丁寧な米作りを意識しています。水のコントロールが難しい地域のため特に水管理には気を遣っており、水路の管理も地域の方々と協力して水源を守るための活動をしています。また、田んぼの状況に合わせて、自家製の米糠を使った肥料や、籾殻くん炭など自然に近いものでじっくり土づくりをしています。

故郷への愛は無限。地域のために作るうまい米。
20haを超える面積でコシヒカリを中心に作付けをしていますが、山間部の棚田であるため田んぼ1枚の面積が小さく枚数は300枚以上。平場に比べると非常に手間のかかる作業が多く、苦労が耐えないといいますが、地元の方やお客様から喜びの声を聞くと労が報われると話してくれました。大変なことがあっても、食糧を生産しているという自負が僕らの骨組みであり、自分達を動かす源になっていると言います。佐藤さんは生まれ育ったこの故郷への想いを「愛郷無限」という言葉で表現し、迷った時は地域のためになることを考える軸にしていると話してくれました。