佐藤公敏(岳農)
佐藤公敏(岳農)長野県木島平村
水源は樹齢300年のブナの原生林を抱えるカヤの平高原
佐藤さんの圃場には、樹齢300年を越えるブナの原生林を抱え、日本一美しい森と言われるカヤの平高原を水源にした冷たい水が流れこむ。
新潟県の県境に近い豪雪地でもあり、冬季間の積雪期間は110日間。積雪深は1.5~2.0mにも達し豊富な雪解け水に恵まれる。また、昼夜の温度差が大きい気候からも非常に稲作に適した土地といえる。
村内循環型農業で米・食味分析鑑定コンクールで金賞受賞
使用する肥料については村の有機センターで作る堆肥を使っている。これは畜産農家から出る糞尿やキノコ栽培に使った廃オガなど、村内で発生したものが原料になる。この堆肥を10アールあたり500~1,000キロを使用する。また一方で佐藤さんの田んぼから出た籾殻は畜産農家に提供しており、村全体で「村内循環型農業」を実践している。
この手法を背景に、美味しいお米づくりを研究し続けた結果、平成24年度の米・食味分析鑑定コンクールで念願の総合部門金賞を受賞した。これは出品された全国の3,900点以上のお米の中で、上位15位以内に位置するという素晴らしい結果だ。翌25年度にも総合部門金賞を連続受賞。
美味しいと言って頂く声が励みになる
「農業は自然が相手なので、生産の過程では人間の力でコントロールできない事があり、苦労する事が多い。でもその分、愛情を注げばしっかりと美味しいお米に育ってくれる。これがお米を作る上での楽しみ」と語る佐藤さん。
また、「普段自分たちのお米しか食べないので他のお米とあまり食べ比べとかしないんですよね。だから、お米を購入頂いたお客様からうちのお米が「美味しかった」という声を頂くと本当に頑張ってお米を作って良かったな」とも語る。
今後も木島平村の環境特性を活かし、どこにも負けない美味しいお米を作り続ける。また、並行して20代、30代の若いスタッフがいるので、次世代の農業を支える為の人材育成にも注力していくのが今後の目標という。