小田々 善重
小田々 善重高知県南国市
四国山脈からの美しい水と風邪通しの良い温暖な気候
小田々さんの田んぼがあるのは高知県南国市長岡地区。土佐藩の家老であった野中兼山によって水路が整備され、昔から米作りが盛んに行われてきた地域。四国山脈から流れる物部川水系の美しく豊富な水を使い、コシヒカリやにこまるを栽培しています。夏には高知らしいしっかりとした暑さがありますが、これまで培ってきた技術と地元の肥料屋さんと協力をしながら独自の肥培管理をおこなっています。南国市は、この温暖な気候を活かし、通常の産地よりも1ヶ月以上早い「早場米」の産地としても知られています。
味の良いお米を作る、細やかな作業と適切な肥培管理
小田々さんは一人で米作りをしているため、苦労も多いといいますが、食べる人のことを第一に考え、味の良いお米を作ることを大切にしています。他産地では、5月中旬頃の田植えとなりますが、小田々さんの田植えは3月末から始まります。収穫後の耕起から始まり、土壌の様子を確認しながら土を作り、強く根張りの良い苗づくり、細かな水管理、収穫期の判断など、ひとつひとつの作業と真摯に向き合うことを大切にしています。また、食べた時の口当たりや食感を向上させるため、選別作業にも力を入れ、なるべく大粒に揃えていると話してくれました。
全国トップレベルの早場米
米作りを始めて60年以上。同じものを作るのが何よりも大変で、味がしっかり乗るように毎年工夫しながら米作りをしているといいます。これまでの苦労が実り、2018年の岐阜県高山市で開催された米・食味分析鑑定コンクール「早場米部門」では小田々さんの作ったコシヒカリが金賞を受賞。おいしいお米ができた時の喜びがものづくりの醍醐味だと話してくれました。最近はお孫さんが農作業を手伝ってくれるようになり、この土地や技術をしっかりと受け継ぎ、美味しいお米づくりを続けてもらえるよう努力していきたいと目標を語ってくれました。