野辺 薫
野辺 薫埼玉県深谷市
古代米を作って30年
野辺さんの田んぼがあるのは埼玉県深谷市。
農業が中心産業となっているエリアで、有名な深谷ネギの産地でもあります。荒川の中流域に位置し、秩父山系からの清らかな湧水も流れる、非常に水が豊富な地域。
野辺さんが作るのは普通のお米ではありません。我々の祖先が栽培していた非常に古い時代の稲をルーツとするお米で、「古代米」と呼ばれて種類のお米を作っています。特色ある米作りをしようとお父様の代から古代米のスタートさせ、30年にわたって栽培方法の研究を深めてきたと言います。
現在は薫さんが後を継ぎ、赤米、紫黒米、緑米、黒米の4種類を栽培しています。
通常の何倍も手間のかかる古代米
古代米は普通の稲とは違い、種類によってその特徴も様々。草丈が非常に長く、180から200cmになる品種もあり、栽培は決して簡単ではありません。収量も少なく高品質に仕上げるには確かな技術が必要であり、何倍も手間がかかると言います。
また、古代米の特徴でもある「色」を保つため、天日干しによりじっくりと乾燥させる品種もあり、4種類の古代米を作るのに多くの経験を必要とします。
健康意識の高い方に選んでいただくことが多いため、農薬は最低限に抑えた特別栽培米。土づくりには堆肥・ぼかし肥料をメインに使用しており、化学肥料は一切使用していません。
美味しく、健康に
野辺さんの願いは、美味しく、健康になってもらうこと。4種類の古代米にはポリフェノールやビタミン、亜鉛など身体に嬉しい栄養素がたくさん含まれていると言われています。でも美味しくなければ続かない。そんな想いから野辺さんは美味しさ・健康・安全を意識した米作りを追求し、毎年試行錯誤を繰り返しています。
無闇に面積を増やし生産量を伸ばすことはせず、目の届く範囲でとにかく品質の良いものを作っていきたいと話してくれました。次の目標は農薬を使わずに古代米を作ること。まだまだ野辺さんの挑戦は続いていきます。