百菜劇場(廣部里美)
百菜劇場(廣部里美)滋賀県近江八幡市
美しい水郷地帯で生き物とふれあい土を作る
百菜劇場さんの田んぼは、滋賀県近江八幡市にあります。田んぼの奥に北之庄沢という小さな湖があり、この辺りの水郷地帯は国の重要文化的景観に指定され、水郷めぐりの観光名所になっています。百菜劇場の廣部さんは、元々、近江八幡の会社で働いており、そこの新規事業として農業をスタート。3年後、会社の事業としては見切りをつけることが決まりましたが、生き物や土と触れ合う農業の楽しさを忘れることができず、自身で農業をしていくことを決意したといいます。
目に見えて自然が戻っていく田んぼ
廣部さんは、毎日田んぼのパトロールを欠かすことはないといいます。色々な考え方の農家がいて、先輩に学びながらどの方法が自分の田んぼに合うのか考え、毎年毎年研究を続け、ようやく糸口が見えてきたと話します。移住者で新規就農者である廣部さんが借りられるのは、いわゆる作りにくい田んぼ。整備されておらず機械が埋まるようなぬかるむ田んぼにあたることも多々あったそうです。それでも、手間がかかる分愛着が湧き、この田んぼを一番理解しているのは自分であり、自分がお米を作ることで自然が戻ってきている実感が湧くといいます。
生き物が溢れる田んぼを1枚でも多く。
3haの田んぼはすべて栽培期間中農薬化学肥料不使用。農薬や化学肥料を使わずに栽培を続けていくことで、土が柔らかくなり、生き物の数も増えていく、そうして自然が戻ってくるのを目の当たりにして、1枚でも多くこの栽培方法ができたらいいなと考えるようになったそうです。生き物が増えて、鳥が来て、生き物が溢れる自然の中に自分がいるときが幸せと話す廣部さん。仲間も田んぼも増やして、このような生態系の豊かな田んぼを増やしていきたいと教えてくれました。