いたやま純心村(井上俊樹)
いたやま純心村(井上俊樹)新潟県新発田市
小さな集落のみんなでつくった農業生産法人
いたやま純心村さんの田んぼは、新潟県新発田市の川東地区、板山集落にあります。新潟下越北に位置し、二王子岳や加治川など豊かな自然に囲まれた地域です。山を切り開き、混じりっけなしの綺麗で冷たい水を引くこの地は、美味しいコシヒカリの産地であり、県内有数の酪農地帯でもあります。97世帯、人口約390人の小さな集落で、地域みんなで集落を守っていくため、農業生産法人を立ち上げ、山の中の棚田を整備し、安定生産と効率化を進めています。
綺麗な水源を守る活動が美味しい米作りにつながる
一番大切にしていることは「水」。山々に囲まれ、雪解けの綺麗な水があるとはいえ、決して豊富ではなく、水源を守る意識が強くあるそうです。毎年7月に集落の村人50人ほどで山に登り、林道のゴミ拾いや水源地の倒木処理などの環境整備を怠りません。寒い地域なので、育苗や田植えの時期は水が冷たく、ゆっくりと稲の様子をみながら大事に育てていく。稲刈りも早く刈りたい気持ちを抑えて、稲の姿をじっくりと観察し、穂首まで見て色で判断をします。
村集落の維持も、米文化の維持も維持したいという強い気持ち
「村」としての集落の維持も、美味しいお米の維持もしていきたい。集落のみんなで作った農業法人のお米は、一度食べてみれば美味しいと言ってもらえる自慢のお米です。人口減少のなか、効率化も大切ですが、集落の文化も大切に、手植え・手刈り・はさ掛けでつくるお米も続けており、学生向けの農業イベントも行ってきました。家族みんなで農業をする地域がこれからも存続するために姿を変えながら、伝統を大切に米作りを続けています。