まつだい棚田バンク
まつだい棚田バンク新潟県十日町市
美しい星峠の棚田
まつだい棚田バンクさんの田んぼがあるのは、新潟県十日町市松代。「星峠の棚田」と呼ばれる、細かく鱗状に広がった美しい田んぼが見渡す限り広がる美しい地域です。ほぼ全て天水田であり、山からの湧水、雨水など混じりっけのない清らかな水を利用して米作りをしています。十日町市では越後妻有地域の広大な土地を美術館に見立てた「大地の芸術祭」というアートプロジェクトがあり、その一環として棚田の保全活動が始まったといいます。現在は、地元のサッカーチーム「FC越後妻有」と連携し、現役の選手を含め若手3名でしっかりと地域農業を担っています。
風土よさを生かした米作り
一番大切にしていることは風土の良さを生かした米作り。美しい水と心地よい風、山間部の寒暖差など、ずっと守られてきた大切な風土がしっかりとお米に伝わるよう、丁寧に作業をしているといいます。8.6haほどの面積ではありますが、どれも小さい田んぼばかりで、その枚数はなんと140枚。水管理だけでもかなりの時間を要し、女性には大変な溝切りなどの作業も足腰のトレーニングになっていると笑顔で話す2人。美しい棚田を守るために、既存の枠組みを超えた新しい米作りが行われています。
棚田を守るためのモデル
2003年からスタートしたこのプロジェクトは地域の先輩農家に指導を仰ぎながら、耕作放棄地や担い手不足など、地域が抱える問題を、地域の外の人と一緒に解決していくために「まつだい棚田バンク制度(田んぼオーナー)」をスタート。「支援」ではなく、関係人口を増やすことで「保全」していくモデルを構築し、全国各地に会員がいるといいます。話を伺った石塚さんは、この美しい棚田を守っていくため、自分たちがモデルになることで、多くの人を地域に集め、活気ある農業を続けて行きたいと話してくれました。