ヤマチョウ(佐々木大作)
ヤマチョウ(佐々木 大作)秋田県にかほ市
鳥海山の雪解け水と雪国秋田ならではの米作り
ヤマチョウさんの田んぼがあるのは秋田県にかほ市。2000mを超える雄大な鳥海山の麓、自然に囲まれ、風が吹き抜ける心地よい環境で米作りをしています。古くから米作りが盛んだった地域であり、田んぼに引く水は、山から清らかな雪解け水を使用します。しかし、この水はそのままでは冷たすぎるため、水路内に連続して落差を作ることにより、水温を調整する「温水路」が設置されており、雪国秋田ならではの米作りが行われています。代表の佐々木さんは、家業を受け継ぎ、どうせやるなら子供たちに安全なものを食べさせたいとの思いから、農薬や肥料を使うことをやめ、全て自然栽培で丁寧な米作りをしています。
安心を第一に考えた自然栽培
佐々木さんが大切にしていることは安心。心から安心して食べられるものを届けることを第一に考え、美味しさはその後だと語ります。最初に教えてもらった米作りは当然のように農薬を使う一般的な農法。佐々木さんはその当たり前に疑問を持ち、無農薬・無肥料の自然栽培にチャレンジし、少しずつ面積を増やしてきました。種はこの土地のことを記憶しており、土地にあったものを作ることがとても大切だと言います。しっかりと強い苗を作り、丁寧に代かきをして、細かく水管理をする。派手なことはありませんが、自然の流れに合わせ、共生した米作りが佐々木さんの強みです。
美しい自然を守り、次の世代へ
農薬を一切使わないため、最も苦労することは雑草との戦い。田植え後はチェーンや竹ぼうきを使いながら4日おきに除草作業を続け、合計で7回以上も田んぼに入り、どうしても追いつかない時は手作業で草を抜くこともあると言います。それでも始めたからには辞める選択肢はなく、試行錯誤を繰り返しながら、自信持って出せるものを作りたいと話してくれました。米作りは無くしてはいけないものではあるが、ただ作ればいいってものではない。この美しい地域を守り、次の世代にちゃんとした形で渡せるよう考えながら米作りを続けていくことが目標だと言います。