北浦郷(辻均)
北浦郷(辻 均)秋田県仙北市
歴史ある武家屋敷と恵まれた自然環境
北浦郷さんの田んぼがあるのは秋田県仙北市角館町。藩政時代の面影を残す武家屋敷通りが有名な歴史ある地域です。雄大な山々に囲まれ、奥羽山脈の伏流水を水源とする桧木内川の水を利用し、25haほどの圃場であきたこまちやゆめおばこなどを栽培しております。昔はよく川が氾濫していた地域で、良い土が堆積しているため特に味のいいお米が取れるとされています。20年以上前から地元の醤油蔵の指定農場にもなっており、醤油や味噌の原料としても信頼して使っていただいているといいます。
30年間、動物性堆肥不使用のお米
代表の辻さんは30年前から動物性の堆肥や肥料の安全性に疑問を感じ、全ての圃場で動物性堆肥を使うことをやめ、自社で植物性堆肥を作り始めたといいます。また、強くしっかりとした苗を作るため、秋田県内でもいち早く「ポット苗」での育苗に取り組み、丁寧な土づくりや水管理など全ての工程を仲間とアイディアを出し合い、試行錯誤しながら米作りをしています。辻さんは人と同じことはしたくない。どんどん新しいことをして、いい味のお米を追求していきたいといいます。特に大切なのは土。全ては土づくりにつながっていると話してくれました。
自然のサイクルを意識した米作り
北浦郷さんでは、特別栽培や有機栽培など農薬に頼らない米作りにも積極的に取り組んでおり、雑草の対策には毎年手を焼いているといいます。しかし、みんなで対策方法を考え、解決していくことも農業の楽しみの一つだと話してくれました。とにかく楽しい、農家に生まれてよかったなと心から思っていると笑顔で話す辻さんは、20年前から地元の間伐材を炭にして粉砕し田んぼに入れる取り組みを始め、大自然のサイクルを活かした「炭壌米」という名称で米を販売しています。もっともっと有機栽培の割合を増やし、この地を守り続けていくことが目標だと話してくれました。