たむら畑(田村 哲也)
たむら畑(田村 哲也)京都府綾部市
丹波霧と清らかな雪解け水
たむら畑さんの田んぼがあるのは、京都府京丹波町。山々に囲まれ、昼夜の寒暖差が非常に大きいために発生する朝霧・夕霧は「丹波霧」と呼ばれ、美しい自然の神秘を体感することができます。面積も小さな田んぼが多いため管理作業には苦労しますが、長老ヶ岳から流れる混じりっけのない清らかな雪解け水や肥沃な土壌など自然環境に恵まれ、味の良いお米が取れる産地です。たむら畑さんの田んぼや水路には水がきれいなところにしか生息できないと言われる蛍が飛んでおり、自然豊かな環境が保たれています。
誰もが安心して食べられる味わい深いお米
田村さんが大切にしていることは安全な米作り。綺麗なお米を作ろうと思えば、農薬や化学肥料を使って簡単に作ることができます。しかし、それでは胸を張って安全なお米とは言えません。人が食べるものなので、量や見た目よりも安全を重視し、農薬の使用量をできるだけ減らし、人にも環境にも優しい米作りを目指していると話してくれました。3haほどの圃場でコシヒカリやキヌヒカリを栽培する田村さんは、味の点についてもこだわりが深く、圃場の状況にあわせて肥料を調整し、牛糞堆肥などを使って豊かな土を作っています。
林業と農業をつなげ、味の良いお米を作る
山間部であるため雑草と鳥獣害には手を焼くといいますが、お客様から「美味しかったよ」の言葉を聞くと非常にやりがいを感じ、やめられないといいます。一つ一つの田んぼが小さく、大規模で効率的な生産をすることができないため、勝負できるポイントは「安心」と「味」。試行錯誤を繰り返し、いいものを作っていきたいと話します。田村さんは農業のほかに林業も営んでおり、木の端材やオガクズを活用したオリジナルの肥料を作り、自然のもので米作りをしていきたいといいます。農業と林業を繋げることで一次産業を盛り上げ、若い人が農業を目指す道標になりたいと目標を話してくれました。